国によって状況は異なるものの、「Withコロナ」を打ち出した国々では出勤再開に向けた体制が整いつつある。
小規模な会社や個人事業主、また在宅勤務をしている会社員がオフィスやデスクスペースをレンタルする共有型オフィス「コワーキングスペース」は、この2年間休業していたり、または「一部施設のみ利用可」等の限定営業を余儀なくされた。しかしコロナ禍を利用して工事を行い、With & ポストコロナに適したレイアウトやインテリアに改築したスペースも多いようだ。
そこで魅力的な建築デザインの世界のコワーキングスペースを紹介する。単に「素敵なインテリア!」というだけでなく、大胆な実験的試みも盛り込んだスペースも多い点が興味深い。
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「Cabinette」(バレンシア、スペイン)
水色を貴重にしたインテリアが涼し気な印象を与える、スペイン・バレンシアにあるコワーキングスペース。共有スペースでは同系色の薄いパープルやシルバー等を指し色に使い、「ひんやり感」を崩さない色使いが美しい。
朝このオフィスに入っただけで、クリアにマインドセットできそうだ。
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「Urban HQ」(ベルファスト、イギリス)
1つのコワーキングスペースの中に、雰囲気の異なる空間がたくさん存在するのが特徴。機能的で明るい「いわゆるオフィス」的なスペース(↓)もあるが、
まったく異なる「しっとり系」の空間も提供している。
「Urban HQ(アーバン・ヘッドクォーター)」という名にふさわしく、まるで都会にあるホテルのようなコワーキングスペースだ。
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「Coworking Boitsfort」(ブリュッセル、ベルギー)
ブリュッセルにある9階建てモダニズム建築のビルの7フロア(7000㎡)を改築したコワーキングスペース。ふくらみのある外観と、曲線のある窓を活かし、どこかレトロな雰囲気を盛り込んだ内装が印象的だ。
「オフィス」というよりも、「広いリビングルーム」的な心地よさを感じさせるのは、茶色の窓枠、そして家具とのコンビネーションの妙だろう。本来なら冷たく感じられるコンクリートがまるで大理石のように映え、温もりのある空間に変容している。
古い建築物を現代的仕様にアレンジした良例といえるコワーキングスペースだ。
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「Infinite Area」(トレビーゾ、イタリア)
モンテベルーナの工業団地の中心に位置するInfinite Areaは、廃墟となった倉庫を改修・再設計したコワーキングスペース。イノベーションと新規ビジネスのための「グローカル(glocal)オフィス」として作られた。
赤や黄色などの原色を大胆かつ効果的に配置し、「イタリアモダン」を感じるデザインが目を引く。
広さとインダストリアル感が存分に楽しめる点もポイントだ。
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「Shop Workspace New Orleans」(ニューオリンズ、アメリカ)
ニューオリンズのダウンタウンにある、コンテンポラリー・アート・センターの3・4階部分に作られたコワーキング・スペース。かつて倉庫街だった同地の歴史を反映し、組んだ材木を活かした内観はスケール感を満喫できる。
3700㎡のスペースには69のオフィス、7つの会議室に加え、ルーフトップや共有スペース等、ソーシャライズする場所もたっぷりもうけられている。
吹き抜けならではの圧倒的な開放感を味わえるだけでなく、段差や区切りも多いことから「自分だけのコーナー」が捜せるのも嬉しい。
世界中が時代にあった働き方を模索している模索する現在。コワーキングスペースには「働きやすい環境のヒント」がきっと隠れているはずだ。