ヴァシュロン・コンスタンタンの時計に風神・雷神が降臨!? 至高の芸術作品に刮目せよ

  • 文:倉持佑次
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右:「レ・キャビノティエ・エクストラフラット・ミニットリピーター – 風神 -」手巻き、18KWGケース、ケース径41㎜、パワーリザーブ約65時間、シースルーバック、ミシシッピ アリゲーターレザーストラップ、ユニークピース 左:「レ・キャビノティエ・エクストラフラット・ミニットリピーター – 雷神 -」(諸元同じ)/ともにヴァシュロン・コンスタンタン

スイスのジュネーヴを本拠地とする高級時計、ヴァシュロン・コンスタンタンから日本人の心を鷲掴みにするユニークピースが発表された。

「レ・キャビノティエ・エクストラフラット・ミニットリピーター - 風神 -」と「レ・キャビノティエ・エクストラフラット・ミニットリピーター - 雷神 -」のふたつの時計は、同メゾンが参加する、4月10日からイタリアのヴェネツィアで開催されている国際的な工芸展「ホモ・ファーベル」で発表されたものだ。

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ケース全体に手作業による装飾模様のエングレービングが施される。ミニット・リピーターのスライドレバーには約0.16CTのバゲットカット・ルビーを6個セット。グラン・フー・ミニアチュール・エナメルで描いた雷神の姿が浮き上がる。

ヴァシュロン・コンスタンタンといえば、エナメル、エングレービング、ジェムセッティングなど、時計づくりにおける各分野の熟練職人たちを抱えることでも有名だが、今回発表した2モデルも最高峰の技を施した芸術的な仕上がりとなっている。

まず目を見張るのが、文字盤を覆う“屏風”の表現。ベースとなる18Kイエローゴールドのダイヤルに、インタリオ(沈み彫り)式の細い線を彫って不規則な格子模様を描き出すことで、金箔装飾を思わせる艶と艶消しを生み出している。

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着想源となったのは、日本で国宝に指定されている俵屋宗達の作品『風神雷神図屏風』。ダイヤルの上を走る細かな線の揺らぎや陰影によって、本物の屏風のような質感を見事に再現している。

この基部を保護するために、透明な溶剤を窯で焼いて層を重ねた後、エナメルによる細密画が施される。雲の上に乗る風神と雷神の色を定着させるためには、6回から7回の焼成が必要になるという。百時間にもおよぶ細心の職人技を要した工程は、ラッピング技法を用いた最終的な研磨が施された上、絵付けの層をもって完結する。

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雷神モデルのケースには、稲妻を表現した螺旋模様が刻まれる。エングレービングの細緻な仕上がりは、熟練の職人技術あってのもの。

職人の技が光るのは、ベゼルやケース、ラグも同様だ。雷神モデルのケースには稲妻を表現した螺旋模様が彫られ、ミニット・リピーターのスライドレバーにセットされた6個のバゲットカット・ルビーは雷のパワーとエネルギーを象徴。風神モデルも同様に、風が吹いて千切れた雲や気流の活力を表現している。

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両モデルに採用されるのが、キャリバー1731。薄さはもちろん、透明な音響、エレガントな見栄え、信頼性、堅牢性などを併せ持つミニット・リピーター・ムーブメントだ。

これらふたつのモデルを駆動するのが、創業者ジャン=マルク・ヴァシュロンの生誕年にその名が由来する「キャリバー1731」。ミニット・リピーター・ムーブメントとしては非常に薄く、わずか3.9㎜という厚みながら約65時間という長時間パワーリザーブを実現させた、こちらも技術の結晶だ。

ヴァシュロン・コンスタンタンならではの、エナメルとエングレービングによる傑作。日本の文化と趣を高い意匠でかたちにした類まれなるタイムピースの魅力は、疾風迅雷のごとき勢いで世界を駆け巡ることだろう。

問い合わせ先/ヴァシュロン・コンスタンタン 
TEL:0120-63-1755