【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『AI監獄ウイグル』
アメリカ人ジャーナリストの著者が綿密な取材をもとに、中国がいかに完璧な警察国家をつくり上げたかをレポートする。新疆ウイグル自治区で増え続ける監視カメラは、ついに家庭内にも設置され、多くの住民はDNAサンプルと顔認証、声認証用のデータを採取された。スマホでのやりとりは政府の監視下にあり、AIが判断した犯罪予測によって突然身柄を拘束されることもある。拘束後に待ち受けているのは思想教育だ。デジタル技術が国家権力を強化する様子は、まさに現代版ディストピアといえる。
※この記事はPen 2022年5月号より再編集した記事です。