新生活が始まるこの時期は、住まいに合わせて何かと家具がほしくなるもの。特にリビングの主役となるソファにはこだわりたい。サステナブルデザインやレイアウトが多彩なモジュールタイプなど、新作のおすすめソファを5つ紹介する。
1.簡単に分解、組み替えられるソファシステム「コスチューム」
先進的なプラスチック成形技術を持ち、革新的なものづくりで注目を集めるイタリアの家具メーカー、マジス。ステファン・ディーツがデザインした「コスチューム」は、ソファの構造から見直した新しいモジュールシステム。カバーは着脱でき、内部はプラスチックのベース、ポケットコイル、ウレタンから構成され、素材同士を接着していないので分解も簡単で、素材はほぼリサイクルが可能。モジュールはシーティング、左右のアームレスト、オットマンの4つのみで、それらを特殊なコネクターでつなげるだけとシンプルな仕組みだ。ユーザー自身で組み立てられ、パーツを一つから追加できるので、ライフスタイルの変化に合わせて組み替えやすく、長きにわたって愛用できる。オレンジ・ブルー・ブラックの3色から選べるコネクタが、シンプルなデザインのアクセントになっている。
2.高めのシートハイでリラックスにも、フォーマルにも使える「ルイ」
日本のように住宅が狭い場合、リビングにソファもラウンジチェアも置くのはなかなか難しいもの。そんなときにおすすめなのが、アルフレックスのソファ「ルイ」。フランス人デザイナー、パトリック・ノルゲが手がけ、ソファとラウンジチェアの要素をあわせ持ったようなソファだ。丸みのある柔らかなフォルムと対照的に真っ直ぐに伸びた脚部が印象的で、シートハイが44.5㎝と一般的なソファより少し高めなので立ち座りがしやすい。ボリュームのある曲線的な背もたれがしっかりとしたホールド感を与え、さまざまな姿勢にフィット。リラックスしたシーンだけでなく、姿勢を正しても座りやすいので、サイドテーブルを合わせてパソコン作業や軽食をとる際にも活躍する。コンパクトなサイズ感はリビングにはもちろん、寝室やエントランスにもとり入れやすい。
3.北欧のタイムレスなデザインと豊富なモジュール「エンブレイス・ソファ」
100年以上の歴史を誇るデンマークの老舗家具メーカー、カール・ハンセン&サン。「エンブレイス・ソファ」はオーストリアを拠点に活躍するEOOS(イーオス)によるデザイン。優美で繊細な木製フレームは熟練の職人が無垢材から削り出しており、長きにわたって数々の名作椅子を製作してきた同社ならではのクラフツマンシップを感じさせる。座面は適度に弾力があり、ソフトながら安定感のある座り心地で、パイピングが美しいラインを強調する。10個のモジュールがそろい、単体で使えばシンプルなパーソナルソファに、サイドテーブル付きや幅広の木製アーム付きは飲み物などを置く際に便利。ストレートやL字、ジグザグなど多様なレイアウトが可能で、足を伸ばしてくつろいだり、あぐらをかいたりとさまざまな過ごし方ができる。
4.アルミハニカムパネルの特性を活かしたフォルム「スピカ」
ソファはサイズが大きくなればなるほど、構造のパーツが増えてくる。そこで、ソファのフレームに用いる素材から発想したのが、by interiorsの「スピカ」だ。採用したのは、リサイクル可能なアルミハニカムパネル。もともとは航空機の軽量化のために開発されたという素材で、蜂の巣(ハニカム)構造によって軽量ながら高い強度を持つ。ミラノを拠点に活躍するデザイナーの大城健作はアルミハニカムパネルが曲げられる点に着目し、シェル状の柔らかなフォルムをデザイン。内側は包み込まれるようなクッションで、クールさと温もりを併せ持ったソファだ。側面と底面のアルミハニカムパネルが構造体を兼ねているので、2m近い長さのソファでも4本の脚部以外に余計な構造が一切なく、シンプルでクリーンな佇まいを実現している。
5.自由に配置できる可動式の背もたれ「プレイグラウンド」
1895年にデンマークで馬車のシートとボディをつくるメーカーとして創業したアイラーセン。その後、バスのシートを手がけてきた経験を活かして70年代からソファの製造を始め、同国を代表するソファブランドとなった。「プレイグラウンド」はフラットなシートと、自由に配置できる背もたれを組み合わせた個性的なデイベッド型ソファ。背もたれは適度な重量があり、座面と接する部分には滑り止め素材を使っているため、大人一人が寄りかかっても動かず、しっかりと受け止めてくれる。背もたれを短手に置けばシェーズロングに、斜めに置くことも可能で、配置次第さまざまな方向から座ることができる。シート下のS字スプリングと何層にも重ねたクッション構造によって、ソファの形状を美しく保ちながら、快適な座り心地を提供してくれる。