エコカイロ搭載のぬくぬくサンダル!面白すぎるぞ、ビューティフル・ピープル

  • 写真・文:高橋一史
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ビューティフルピープルフィールズのサンダルの内部に、なにやら透明な液体入りのエアバッグが……!

日本のファッションブランド、ビューティフルピープル(以下、BP)の名は女性にはお馴染みでしょう。
街なかでもロゴ入りのカジュアルバッグを持つ人を見かけますから。
メゾン キツネあたりに近い日常感覚で愛用されてる印象です。


BPは東京コレクションでショーをしたり、パリで新作発表する創造性がありながら、私たちのごく身近な生活に寄り添うブランド。
真面目にふざけるモノづくり。
人を笑顔にさせるアイディアを実現させる努力は惜しまない。
なにせファッション学校の同級生だった人たちが2004年に立ち上げた運営会社の社名が、「エンターテインメント」ですから。

先日の2022-23年秋冬展示会に行ったときデザイナーの熊切さんが、「バイヤーさんからカテゴラズしにくいと言われます」とおっしゃってましたが、確かに似たようなスタンスのブランドはほかにないんですよね。
実はモノづくりがすごい、って意味ではダブレットが思い浮かぶものの、あちらはハードなメンズストリート系。
BPはもっと女の子っぽいというか、かわいい系アプローチが多いです。

その彼らが20年よりビューティフルピープルフィールズ(beautiful people feels)という、通常コレクションとは別アイテムのライン(ブランド?)をスタート。
クリエイティブエージェンシー「W+K Tokyo」が絡んでるプロダクトで、サコッシュ、iPhoneケース、ソックス、パーカなどのほっこりかわいいラインナップ。
このラインから昨年リリースされた面白いサンダルを入手したのでここにご紹介しましょう。
なんとヒーター機能つきで足元ぬくぬくのオールシーズン対応サンダル!

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箱だけで十分にかわいい。上蓋には同ラインのアイコンイラストで描かれたポップな解説図が。

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蓋を開けるとさらにかわいい!包み紙をほどいていくと……、

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そこにはエクリュ色のシャワーサンダルが。
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現代的なファッションサンダルの顔つき。英字ロゴのうち「feels」部分だけエンボスなのもおしゃれ。インソールは内部にポコッとはめ込む構造です。

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サンダルをバラバラ分解。透明バッグを使わないときはウレタンを入れ、ベーシックなサンダルとして履けます。

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中にあるコインのような金属をペコッと押すと、その刺激で液体がぐいぐいと白く変色してすぐに発熱。ちょっと驚けます!
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箱の蓋に説明書き。この“ほっこり”の表現が、正しいというか真面目というか洒落ているというか…。

足裏がほんのりと温かく、まさにほっこりする体験。
詳しくは「エコカイロ」で検索していただければと思いますが、酢酸ナトリウム水溶液が金属刺激で白く固まるときに発熱するのがこのギミック。
すぐに温まる反面、長くても1時間ほどしか持たない弱点もあり。

寝起きで足が冷たいときの目覚まし代わりに温めたり、ベランダに出るとき使ったりするのが良さそう。
このサンダルは街なかをガシガシと歩くつくりでもありませんから、家内外の快適な暮らしのお供が似合います。

ただ再度使うには、固まった液体をもとの透明に戻すために沸騰した湯で5分ほど湯煎しないといけないのが少々面倒。
これは何度も使えるエコカイロ特有の技術的なもの。
将来的に電子レンジに対応されたら便利でしょうが、それだと金属片は使えないですしね。

まだ発展途上の技術にトライして、人々の日常にワクワクする気分を運ぶBPならではのサンダル。
価格は、¥17,600(税込)。
「夏向けに冷却ジェルのオプションパーツ出ないかな」とか思っちゃうほど空想を広げてくれるクリエイティブなプロダクトなのです。

All Photos©KAZUSHI

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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