脱力系の美しさを放つ、ジョルジオ アルマーニの5つボタンスーツ

  • 写真:加藤佳男
  • 編集&文:倉持佑次
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持ち前の品のよさを加速させた5つボタンスーツ。¥363,000(税込)/ジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03-6274-7070)

コロナ禍の影響で買い物に出かける機会が減ってしまったが、新たな年度を迎えるいまこそ、旬の服・小物を手にする絶好の機会だ。そこで、2022年春夏シーズンの新作から人気ブランドの注目アイテムを紹介したい。今回登場するのは、ジョルジオ アルマーニの5つボタンスーツだ。

1980年代にソフトテーラード技法で紳士服に革命を起こしたジョルジオ アルマーニ。しなやかな生地でつくられるスーツは、それまで構築的だったメンズスーツに若々しいイメージをもたらすことに成功した。薄めの肩パッドや、クリースなしのパンツなど、着心地のよさを追求したディテールや、英国のテーラードスーツの基本を逸脱しないデザインは、クラシックな服の均衡を保つバランスを十分計算し尽くした上でのこと。

そんなことを改めて感じたのは、最新のコレクションでスーツをはじめとするクラシックなアイテムが目立ったからだ。なかでも写真のストライプスーツは、ミニマムなデザインのマイクロラペルに、5ボタンで包み込むゆったりとしたシルエットが、いかにもジョルジオ アルマーニらしい。ボトムスはワタリが広い設計で、裾に向かってスッと綺麗なテーパードシルエットを描き、スーツの上品さを加速させている。

素材のよさ、仕立てのよさ、そして美しいシルエット。ジョルジオ アルマーニが打ち出すエフォートレス・ラグジュアリーの提案は、今日に至るまでその魅力を失っていないようだ。

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各所に施されたジレのようなディテール。ジャケットの背中にはウエスト幅を調整できるベルトが付属。よく見るとフロントの前裾もジレの剣先のようなデザインとなっている。スーツならではのディテールを楽しむことも忘れずに。

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※この記事はPen 2022年5月号「いま欲しい95の服と小物」特集より再編集した記事です。