ここ数日で気温もぐんと上がり、そろそろ遠出をしたくなる季節。人混みを避けゆったりとした旅をしたい……そんないまの気分におすすめしたいのが奈良だ。奈良は、東大寺、奈良公園をはじめ屋外の広い空間が多く「密になりにくい」観光地。しかしホテルが少ない奈良では、京都に泊まって日帰りで奈良へ行き、駆け足で観光する…というパターンが多かった。
しかしここ数年でホテルが次々とオープンしている。昨年9月にオープンした「MIROKU 奈良 by THE SHARE HOTELS」もそのひとつだ。手がけたのは、マンションからオフィスまで、はじめさまざまなリノベーション事業を手がける株式会社リビタ。2016年から地域の魅力を発見できるライフスタイルホテル「THE SHARE HOTELS」を全国に展開しており、「MIROKU 奈良」はその9店舗目となる。
まずお伝えしたいのが、非常に便利な立地であるということ。ホテルは興福寺の近くにあり、春日大社や東大寺にも徒歩約15分でアクセス可能。ならまちをはじめとする商店が立ち並ぶエリアにも隣接している。便利な場所にありながら、客室の窓からは興福寺の五重塔、若草山などをを眺めることができ、タイミングがよければ鹿も間近に見ることができる。まさに奈良に暮らしている、そんな体験ができるホテルだ。
建物は地上1階から4階のデザインは芦沢啓治が担当し、地下のフロアは佐野文彦がデザインを担当している。芦沢が「正直なデザイン」という客室は、ミニマルで明るい光に包まれる空間。一方、佐野が手がけた地下の客室は落ち着いた空間で、日本建築らしい要素を取り入れたデザインとなっている。
客室はひとりから最大4名定員の二段ベットのある部屋まで、最大全7タイプ44室がある。シーズンにもよるがラグジュアリーホテルに比べ宿泊料もそこまで高くないので、1人や2人利用でも、広い部屋に宿泊することをおすすめしたい。奈良は京都に比べ遅くまで営業している飲食店が少ない。食事を持ち込んで晩酌や、いつもより長めに入浴したりと、ゆっくりとホテルで過ごすのがおすすめだ。
また、客室にはこのホテルのためにセレクトされたプレイリストもあり、奈良を拠点とするメーカー「listude(旧sonihouse) 」のスピーカーから聴くことができる。ちょっとした支度をしているときも、音楽があるだけで過ごす時間が特別なものになる。
他にも奈良を拠点とする「NEW LIGHT POTTERY」の照明器具や、奈良市の福祉施設「たんぽぽの家」に所属する澤井玲衣子の絵画など、館内の各所で奈良のクリエイションを感じることができる。
春先の奈良で、いつもよりゆっくりとした旅を体験してはいかがだろうか。
『MIROKU 奈良 by THE SHARE HOTELS』
住所:奈良県奈良市高畑町1116-6
TEL: 0742-93-8021
全44室
料金: ¥12,000〜 ※1室料金(サービス料、税込)
www.thesharehotels.com/miroku