有名清掃機器メーカーの“ゆるすぎる”CMが話題

  • 文:宮田華子
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@ wuvonline – Youtubeのキャプチャ画面

ケルヒャーは、世界78カ国(2021年当時)に拠点をもつドイツの清掃機器メーカー。多くの国では高圧洗浄機の代名詞になっているほどの有名ブランドだ。

ボールド書体のロゴ、黄色のボディ、そしてがっしりしたフォルムの各種マシンからは「頑丈」「パワフル」なイメージが頭に浮かぶ。

「ほうきで掃くのとマシーンを使うのでは、どのぐらい時間に差があるの?」を示した定点撮影動画。古典的な比較だが、説得力がある。@KarcherAus – YouTube

ケルヒャーはこれまで、高度な機能を分かりやすく解説する広告を制作してきたが、2020年から広告「『ワオ』を取り戻そう(Bring back the Wow)」キャンペーンを展開中だ。

ケルヒャーのHPによると、「取り戻す」は「(低下した)ブランドイメージをあげる」という意味ではないとのこと。「ケルヒャー=高性能」の評判は既に世界中に浸透しているので、ケルヒャー製品がそこそこ優秀でも人々はあまり驚かない。そこで改めて「本当にすごい!」と印象づけることで、ケルヒャー製品の性能を再確認してもらうことを意図したようだ。

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ケルヒャーの新路線CM

ヒップホップのリズムにのり、パワフルな高圧洗浄機をクールに操る。 @KarcherAus - YouTube

森の中もあっという間にキレイになるとは、確かに「ワ~オ」だ。@KärcherDanmark - YouTube

広告制作を手がけているのは広告代理店のアントニ・ブースト(ベルリン・ドイツ)。分かりやすく「すごい!」を印象づける映像は好評だが、この「ワオ」キャンペーンに新たな「脱力系」シリーズが加わり、話題を呼んでいる。

掃除機に必ずついている“ごく普通”の機能をあえて大袈裟に取り上げるのがこのシリーズの特徴。シラけた佇まいの中で「ワオ」のコピーが現れる。

「この掃除機は、まっすぐに進む」「くるっと回ることもできる」「これって画期的」(↓)

Wow_straight.jpg
@ wuvonline – YouTubeのキャプチャ画面。

「この掃除機にはボタンが2つついている」(↓)

@ antoniberlin – instagram

レトロなセッティングとファッションが、映像としてのお洒落感と脱力感を倍増させているのが興味深い。

「片手で使える。すっごい」(↓)

@ antoniberlin – instagram

「暗闇の中でも使える」(↓)

@ antoniberlin – instagram

どれも当たり前と言えば当たり前の感想だが、掃除機に求める大事な点はまさに「そこ」。乾いた笑いを誘いつつ、機能性の高さを思い起させるのが狙いだ。

この「脱力系」シリーズのディレクションとスチール撮影を担当したのはルーベン・リアマイヤー 。スタイリストのペニナ・アマンダとのコラボにより、ちょっと滑稽で、でもスタイリッシュな70~80sテイストを完成させた。

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ウィットに富んだ、話題の脱力系CMはこちら

くすんだ青のカーペットにモスグリーンのスーツと柄物のドレス。スタイリングの妙が秀逸。

2つボタンがあるって素晴らしい♡ @wuvonline – Youtube

大きなブラインドが80年代風? 一周まわってお洒落に見える。

@wuvonline – YouTube

のんきなBGMもよい味付けに。

「操作簡単」「頑丈で使いやすい」、そんな掃除機は誰でもほしいもの。CMを見た後、掃除機を検索してしまう人は多いかもしれない。