海面上昇と頻発する洪水

データ分析調査を提供するThe Swiftestの共同創業者マシュー・H・ナッシュ（Matthew・H・Nash）によれば、海面上昇と頻発する洪水によって、世界の36都市が浸水することになりそうだ。

ナッシュは、Climate CentralやClimate.gov、および気候変動に関する政府間パネルが提供した大量の報告書やツール、記事を基に分析を行なった。その調査結果は、36都市のうち、真っ先に浸水の可能性があるいくつかの都市にフォーカスしている。具体的には、イタリアのベネチアにあるサン・マルコ寺院、ハワイ、ホノルルのワイキキビーチ、米国フロリダ州のマイアミビーチ、チリのイースター島、モルディブ、ドイツのアイフェルを含む9カ所だ。

「国連によれば、世界人口の約10％（7億9千万人）が海岸線沿いに住んでいる。世界有数の大都市の多くが、海岸に沿って発展してきた。歴史的に、こうした沿岸都市は通商交易のしやすさによって繁栄してきた。こうした経済の中心地は、最も人口の多い都市でもあり、億単位の住人が脅威にさらされている。500万人以上の人口を抱える都市のうち約3分の2が、浸水の脅威に瀕した沿岸地域に位置している」とナッシュは記している。

ナッシュは今回の調査にあたり、Climate Centralが作成した沿岸リスク・スクリーンツールをもとに、危険地域別マップを作成した。また、ユーロモニターを利用して、海水位の影響を受けると見られる、世界で最も多くの人が訪れる36の都市を特定した。

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ジャカルタは、世界一早く水没する都市？

積極的に沿岸域を管理しようとする都市がある一方で、水没防止に向けた計画の実行に苦戦している都市もある。ナッシュは、自国の問題を回避するための行動を政府が起こさず、危機への対処について気候科学者から批判を受けた例として、タイのバンコクを挙げている。

さらに、インドのムンバイ、中国の上海、米国のニューヨークやマイアミのような無数の人口が密集した都市が、水没の危険にさらされている。ナッシュは、以下のように記している。「インドネシアのジャカルタは、人口が1千万人に上る大都市だが、一部の人からは世界一早く水没する都市とみなされており、2050年までに完全に水没すると予測されている。2021年12月には、ジャカルタは再び浸水し、一部地域は2.7メートル水中に沈んだ」

海面上昇の影響を阻止する方法は、この問題に対する各地域の自治体の具体的な行動によって異なる。この点から、地元の自治体に、問題を早期に認識する能力と、深刻な被害を抑える資金があることが意味をもつ。調査中にわかった例としては、次のような記述がある。「例えばジャカルタは、潮流を食い止めるために400億ドルをかけて防潮堤を建設中だ。さらに政府は、首都をジャカルタから、隣のボルネオ島にある未開発のジャングル地帯に移転する法律を通過させた」

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1位東京、2位ムンバイ、3位ニューヨーク

ナッシュはまた、自身のインフォグラフィック（情報を視覚化したもの）について、単なる数字や図表ではなく、信頼できるデータに基づいたマップで影響を示すことを目標としていると述べている。

「海面が上昇し、都市が沈みつつあることに疑いの余地はない。もはや、起きるかどうかではなく、いつ起きるかの問題だ。それがいつなのか、正確な予測は誰にもできない。しかし、シンプルな地形図を基に、世界のどの大都市が最初に水没しそうかについては予測できる」

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4位大阪、5位イスタンブール、6位コルカタ

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プロジェクト情報：

調査名：最初に水没する世界の36都市
企業名：The Swiftest, inc.
調査全文：こちらから閲覧可

※この記事はdesignboomからの提供です。