ルイ・ヴィトン創業者の生涯を、温かな筆致で描く初の小説【書評】

  • 文:今泉愛子
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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】

『ルイ・ヴィトン 果敢なるひと』

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キャロリーヌ・ボングラン 著 石田郁男 訳 ルイ・ヴィトン ¥6,270

フランスを代表するメゾン、ルイ・ヴィトンの創業者であるルイの生誕200周年を記念して、昨年より多角的に展開中のプロジェクト「LOUIS 200」。そのひとつが、フランス人作家キャロリーヌ・ボングランが執筆したこの小説だ。職人としての確かな技術に支えられたルイの生涯を、温かな筆致で描く。ルイは14歳でたったひとり故郷を離れ、2年もの歳月をかけてパリにたどり着く。メゾンを立ち上げたのは1854年、33歳の時だった。革新者としての才覚をもつルイが、道を切り開いていく姿が感動的だ。

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※この記事はPen 2022年4月号より再編集した記事です。