京都・清水寺のnendo企画展を観てきた!人のいない寺の風景にしみじみと

  • 写真・文:高橋一史
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お堂の照らされた内部がnendoの展示。

いえいえ、旅行じゃありません。
取材出張で、新幹線2時間の京都。
この社会情勢で東京から出ていくのもナンですが、「仕事だから」と自分に言い訳した1泊2日。

主目的の取材の前後に時間が取れて、レポーター魂でバタバタと気になるものを見てきました。
このブログ「コラムニスト」で、しばらく皆さんに旬の京都ネタをお届けするつもりです、はい。
とはいえ取材が「コーヒー」だったもので、常に頭のなかは「カフェ」だの「喫茶」だのでいっぱい。
そっち系を中心にお届けしますので、よろしければこれからも見てやってくださいませ。

もとい今回の記事は、
「清水寺くらい行きてーな。取材場所から本気出せば歩ける距離だし。あ、そーだnendoの展示もやってたっけ」
ということで、このスーパーメジャーなお寺さんの「2022年2月2日」をここにお届け。
nendoが京都の伝統工芸とコラボした展示の詳細については、申し訳ありませんが各人でお調べくださいませ。
作品テーマが私の苦手なコンセプチュアルアートっぽかったので、予備知識なしで見ることに決定。
「素敵と感じたらあとでしっかり調べればいいや」、というスタンスで。

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3つ並んだ建物の真ん中のお堂(経堂)のなかがギャラリー。
いちばん左は清水の舞台に入るためのチケット売り場。
nendoの展示は境内のなかで無料で見られるのです。
これは嬉しい。

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図形のような不思議な照明器具がその展示物。
おやっ?と境内を歩く人を立ち止まらせる、インパクトのある演出でした。
nendoと知らない若い観光客たちも、しばらく見てたりスマホで撮ってたり。

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伝統の寺にコンテンポラリーなグラフィックが置かれてる不思議さ。
象形文字のよう。
「観音様の化身を表す33の照明」だそうです。
清水寺は祈りの空間で、ここには目に見えないエネルギーがあって、それを可視化するためにマイクロ波で電気を飛ばしてコードレスでLED照明を点灯……。
なるほど。
「マイクロ波が目に見えない時点で、エネルギー自体は可視化されてないのでは?」などと思うのは、私のような凡人の愚かな考え。
頭のいい人たちが生むアートは、ただの庶民には理解できなかったです。
すみません。
グラフィックのみ楽しませていただきました。

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3月の節句のひな壇飾りのような展示。
これが東京のモダンリビングのショールームに並んでたら、印象が大きく違ってたでしょう。
モノはどこでどう見せるかがいかに大切かを改めて実感。

展示は2月13日(日)で終了。
もう1点nendo作品があったのですが、現場では気づかずにスルー。
「派手な階段だな」としか思わず。
事前情報調べないとこういうことになるという。

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清水寺に来たからには、拝観料払っても舞台に行こうと思い本堂のなかへ。

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閉場間際なためか、パンデミックで観光客が来ないためか、いまの京都はどの店も17〜18時で閉まってしまうためか、観光地に人が少ない。
ゆったりと贅沢な時間を過ごせてとても嬉しいんですけども、個人的には。

舞台の上はなんと、

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おれひとりの貸し切りだ!
うぉ〜この上をゴロゴロしてえ!!

……なんてのは後日に写真を見て考えたこと。
この日はレポーター根性でなんとかカメラのシャッターを押してますが、眠気と疲れで頭がほぼ停止状態。
「下手するとマジで下に落ちる……」と舞台の欄干に近づくのも怖く。
その後、無事に東京に戻ってきましたが。
体調も問題なく。

それでも本堂を歩き、「うわ!」と心に突き刺さった照明がふたつありました。

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ひとつはこの天井のライト。
建物の古いテクスチャーとも清水寺周辺の空気感ともマッチする、素晴らしい光でした。

そしてもうひとつが、

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こちらの、たったひとつの裸電球。
場と天井をほのかに照らし、参拝者をこの先へと導く案内人。
ミニマルな日本の美。
写真は後で明るめに調整したもので、実際の景色はもっと暗かったです。
しみじみと染み入るふたつの照明でした。

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お〜素敵ですねえ。
土産店が閉まった坂を降りていく。
私はもはや、「いますぐ道の端に座り込んで爆睡したい」男でしたが。

All Photos©KAZUSHI

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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