光石研という実力派ミュージシャンが奏でる、良質なポップス集がついに完成した。
とはいえ俳優の光石がミュージシャンにデビューしたわけではない。自身初となるエッセイ『SOUND TRACK』が、2月2日にリリースされたのだ。
発売から2日後の2月4日、刊行を記念し、代官山蔦屋書店内のシェアラウンジにて、著者である光石の囲み取材が行われた。
自身が語る、初エッセイの手ごたえとは?
初となるエッセイは、大好きなファッションのことから、こだわりの趣味のこと、俳優業、そしてこれまでの半生についてリズミカルな文体で綴られている。YouTubeで配信中のPenオリジナルドラマ『光石研の東京古着日和』で見せる“光石さん”のコミカルな一面も、このエッセイのなかでも垣間見ることができる。
60代を迎え、いまや映画やドラマに引っ張りだこの人気俳優だが、自分が出演した作品はあまり見ないという光石。
初エッセイについても、感想を聞かれると、「自分のことだから恥ずかしくて、いまさら僕のようなオヤジのこと読んでもなって思って(笑)。映画やドラマも自分が出ているのはあまり見ないんですけど、今回はそれ以上に恥ずかしくて読んでられませんでした」と頬を赤らめ、「だれが読むんだろう? 僕にファンがいるのか疑問ですが、光石研の裏側を見ていただけたら嬉しいです」と語った。
『SOUND TRACK』というタイトルについて、「直感で、なんとなく音楽にまつわるタイトルがいいなと思っていました。だけど僕は俳優で主戦場は映画やドラマなので、音楽と俳優がリンクするような言葉がないかなって考えたら、思いついて。これいいんじゃないかなって。響きもよくて、わりと即決な感じでしたね」と明かした。
装丁にもこだわり、光石自身がアートディレクターとともに話し合って、経年変化による風合いも楽しめる紙を選んだ。光石研をまるごと一冊に閉じ込めた、初のエッセイ。魅力が色あせることのない“マイ・ヴィンテージ”として手元に置いておきたくなる、そんな一冊だ。