1805年創業の老舗「船橋屋」の展開する新業態のカフェが、今春、表参道に誕生した。くず餅といえば、関西では葛粉を使用した葛餅が一般的。だが、東京・亀戸に本店を構える船橋屋では、小麦粉のグルテンを取り除いたでんぷんを、木の槽で450日間乳酸菌発酵させた粉を使用。その日の気候や湿度に合わせて火加減を変えながら、この粉を湯でとろみをつけ蒸して仕上げたのが、江戸時代から愛される名品「元祖くず餅」だ。
カフェで供される新商品「みずくずもち」の原料は、船橋屋伝統の自然発酵させた小麦粉でんぷん、オリゴ糖、水のみ。熱を加えた後に冷やし固めることで、プルプルとした繊細な食感が生まれる。
植物性乳酸菌が含まれ、酸味を残すみずくずもちを引き立てる名脇役が、黒蜜ときな粉。黒蜜は、職人が灰汁をていねいに取り除き、雑味が少ない。粗めに挽くことで豆の香りを感じさせるきな粉を加えた、独自の味を堪能したい。
Be:side(ビーサイド)
住所:東京都渋谷区神宮前3-14-6
TEL:03-6432-9323
営業時間:11時~17時L.O.
定休日:不定休
www.beside-natural.com
※この記事はPen 2022年3月号より再編集した記事です。