ウブロのフラッグシップモデル「ビッグ・バン」が誕生して15周年を迎えた2020年に、コレクション初のケース統合型ブレスレットを採用したモデルが発表された。「ビッグ・バン インテグラル」とネーミングされたように、3連のブレスレットがシームレスにケースと統合。「ビッグ・バン」に嬉しい驚きとソリッドな魅力をもたらしたのだが、2022年の新作として、同じくコレクション初となる直径40㎜ケースでセンター3針の「ビッグ・バン インテグラル タイムオンリー」が追加された。
「ビッグ・バン インテグラル」はフライバック・クロノグラフを搭載した42㎜径だったが、「タイムオンリー」は2㎜のサイズダウンだけでなく、表示要素を時計の基本である時・分・秒と日付に絞ることで、ケース厚も10㎜を下回る9.25㎜。小型でスリムになったケースに、ダイヤルは機械式をアピールするようにサファイアクリスタルを採用。とはいっても、見えるのはムーブメントを支えるプレートとビスや歯車の一部だけで、さすがにクロノグラフのようなダイナミックな複雑感は控えめだ。ただし、プレート表面をサテン仕上げのマットにしており、蓄光式蛍光塗料が埋め込まれた立体的で特徴あるバーインデックスが際立っているほか、その下部に配置された日付のディスクが精緻な構造と繊細な仕上がりを感じさせる。
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宝飾的な輝きを備えた美麗なブレスレット
このように「ビッグ・バン インテグラル タイムオンリー」は、遠目でもわかる独創的な「ビッグ・バン」スタイルをシンプルでミニマルになりがちな3針モデルで鮮やかに展開したといえるだろう。ダイヤル外周の60分計に5分おきに配置された独特のフォントも「ビッグ・バン」を継承している。
このケースに、シャープなフォルムの3連ブレスレットがつなぎ目のラグを意識させることなくスムースに接続されている。ていねいな面取りに加えて、素材の質感を生かしたサテンと鏡面のポリッシュで磨き分けており、宝飾的な輝きすら感じさせる。直径40㎜の小型・薄型ケースと合わせて、ビジネススーツの袖にもフィットするほか、腕の細い人でもケースとブレスレットとの一体感を享受できるに違いない。
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ラグジュアリーな精密機械がシェイプアップ
ケース&ブレスレットの素材は、チタン、18Kイエローゴールド、セラミックの3種類。チタンは軽量なので普段使いには最適。18Kイエローゴールドは、この素材にラバーストラップという異色の組み合わせでデビューした創業時のオリジナルモデルへのオマージュという。セラミックはオールブラックバージョンで世界250本限定。近年のトレンドである“ラグスポ”はSS製の防水ケースと一体型ブレスレットが共通項といえそうだが、「ビッグ・バン インテグラル タイムオンリー」にSSはラインナップされていない。エネルギッシュに革新を続けてきた孤高の高級ブランドとして、トレンドと一線を画す矜持を示したとも考えられる。
快適な装着感をはじめとして腕馴染みにも優れているが、決して控えめではなく、ウブロらしい力強さが漲っている。スタイリッシュに造形されたラグジュアリーな精密機械が、よりシンプル&エレガントにシェイプアップされたと解釈してみたのだが、いかがだろうか。
問い合わせ先/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ TEL:03-5635-7055
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