根菜や豆、脂身などから、優しい味わいをじっくり引き出して。素朴なカレーは、調理段階から心身を解きほぐしてくれる。今回は、料理研究家の渡辺玲さんと「按田餃子」店主の按田優子さんに、冬にぴったりのカレーレシピを教えてもらった。
〜渡辺玲さん考案〜
大根とサツマイモの北インド風カレー
<材料(4人分)>
大根(いちょう切り)…200ℊ
サツマイモ(ひと口大)…200ℊ
玉ネギ(みじん切り)…1個分
ニンニク(すりおろし)…1片分
ショウガ(すりおろし)…ニンニクと同量
トマトの水煮缶(ダイスカットのもの)…1カップ
クミンシード…小さじ1
パクチー(みじん切り)…お好みで
サラダ油…大さじ3
水…1カップ
A
ガラムマサラ…小さじ1
カイエンペッパー…小さじ1/2
ターメリック…小さじ1/4
塩…小さじ2
<作り方>
1.厚手の鍋にサラダ油とクミンシードを入れて炒め、香りが立ったら玉ネギを加えて炒める。少し色づいたら弱火にし、ニンニクとショウガを加えて炒め合わせる。
2.1にトマトの水煮を加えて混ぜ、Aと水を順に加え、混ぜながら沸騰させる。
3.さらに大根とサツマイモを加え、1分ほど煮たら、水(分量外)をひたひたまで加える。蓋をして、弱めの中火で時折、かき混ぜながら10分ほど煮る。
4.野菜に火が通ったら蓋を取り、少し火を強めて3分ほど煮込む。器に盛り、好みでパクチーを散らす。
◎POINT
ベジカレーは通年楽しめる。旬の野菜に置き換えて、夏ならオクラ、冬瓜、ピーマンを。
簡単バターチキンカレー
<材料(4人分)>
鶏の腿肉(皮なし)…400g
A
ターメリック…小さじ1/4
ガラムマサラ(マリネ用)…小さじ1
トマトの水煮缶(ダイスカットのもの)…2カップ
ニンニク(すりおろし)…1片分
ショウガ(すりおろし)…ニンニクと同量
ショウガ(みじん切り、仕上げ用)…大さじ1
生クリーム…50ℊ
カイエンヌペッパー…小さじ1/4
ガラムマサラ(仕上げ用)…小さじ1
パクチー(みじん切り)…大さじ2
バター…20ℊ
塩…小さじ2
水…1/2カップ
<作り方>
1.鶏肉はひと口大に切り、Aをもみ込んで、最低10分、できれば1時間ほどおいておく。
2.トマトの水煮と水を、ハンドミキサーで撹拌する。
3.厚手の鍋にバターを入れて中火にかけ、ニンニクとショウガのすりおろしを入れて炒める。2を加え、強めの中火で沸騰させる。1の鶏肉に、塩、カイエンヌペッパーを加えて中火で10分ほど煮込み、鶏肉に火を通す。
4.仕上げ用のガラムマサラとショウガのみじん切りを加え、1分ほど煮たら、生クリームを回し入れる。器に盛り、パクチーを散らす。
◎POINT
皮なしを使うのがインド式。脂質が少ないのでさっぱり仕上がり、下味がよくしみ込む。
渡辺 玲●料理研究家。東京都生まれ。カレー中心の料理研究家。クッキングスタジオ「サザンスパイス」主宰。タイ・ベトナム・インド料理の研究家で組んだユニット「ヤミーズディッシュ」の一員。つくりやすいレシピに定評あり。
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〜按田優子さん考案〜
小豆のカレー
<材料(4人分)>
小豆…1/2カップ
玉ネギ(せん切り)…1/4個
クミンシード…小さじ1
バター(できれば発酵バター)…大さじ2
塩…小さじ1
水…適量
ショウガ(せん切り)…大さじ1
<作り方>
1.鍋に小豆とたっぷりの水を入れて強火にかける。沸騰してきたら10分ほどグラグラさせた後でゆでこぼし、小豆の5倍くらいの水を入れ、蓋をして1時間くらいゆでる。途中、小豆が水面から出ないように適宜、水を足し、均一にやわらかくなるまでゆでる。決してかき混ぜないこと。
2.小豆が完全にやわらかくなったら玉ネギを加え、10分ほど煮る。田舎汁粉のような状態になったら、塩、クミンシード、バターを加え、味を調える。
3.器に盛り、ショウガをのせる。
◎POINT
小豆の活躍する季節ゆえ、多めにゆでてもいい。水に浸す時間は、6時間程度で十分。
インゲンと豚肉のカレー
<材料(2人分)>
豚バラ肉(1㎝角に)…100ℊ
サヤインゲン(幅1㎝に)…100ℊ
ニンニク(粗みじん切り)…3片分
ショウガ(粗みじん切り)…1片分
ターメリック(なければカレー粉)…小さじ1
クミンシード…小さじ1/2
青唐辛子…お好みで
魚醤…小さじ1/2
塩…小さじ1/2
<作り方>
1.フライパンに豚肉を入れて蓋をし、弱火にかける。ときどき混ぜながら、油が出て、色づいてきたらサヤインゲン、ニンニク、ショウガ、好みで青唐辛子をのせ、蓋をして蒸し焼き状態にする。決してかき混ぜないこと。
2.5分ほどしたら塩、ターメリック、クミンシードを加え、全体を混ぜる。魚醤を加えて仕上げる。
◎POINT
サヤインゲンは小さなキューブ状に刻むと、ご飯と一緒に食べやすくなる。
按田優子●「按田餃子」店主。1976年、東京都生まれ。「按田餃子」店主、ストック料理研究家。自家製乾物や調味料、スパイスにも造詣が深い。最近は年に数回、ペルーに渡り、ジャングル料理を研究中。著書に『冷蔵庫いらずのレシピ』(ワニブックス)など。
※この記事はPen 2017年8/15号「365日 カレー天国。」特集より再編集した記事です。