新・バビロンの空中庭園⁉ 上海の施設「1,000ツリーズ」の建築がすごい

  • 文:宮田華子
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(c)Alamy/amanaimages

上海の新たなランドマークとなる巨大複合商業施設「1,000ツリーズ」(上海市普陀区)の開発が進んでいる。着工から8年、このほど第1フェーズが完成し、去る12月22日に施設のオープニングセレモニーが行われた。

オープニングのニュースと共に写真や動画が公開されると、世界中の建築やデザインメディアが反応、各誌に大きく取り上げられている。

天を指す1,000本の木々でできた小高い山。目を見張る風景だ。@designboom – Twitter

「1,000ツリーズ」は、上海を流れる蘇州河(呉淞江)のほとりにあり、M50と呼ばれる芸術地区と大きな公園に隣接する。現在は山が一つできているような形の建物に見えるが、最終フェーズの完成までにもう一つ山型の複合建築が竣工し、30万㎡もの広大なエリア内に2つの山頂がそびえることになる。

「2つの山頂」が完成時の予想図が掲載されている「Inside Retail Asia」の記事

建物そのものは白いコンクリート製だが、1,000本以上の樹木、そして25万以上の植物が建物を覆うように配置される。周囲の水、緑と共鳴するだけでなく、敷地内の生物の多様性を向上させ、気温低下にも貢献する。環境と景観の両方の解決策を「樹木に託した」建築物と言えるだろう。

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上部から撮影された写真。フェーズ1部分は、奥行きはあまりない山型であることが分かる。今後木々が成長すると、建物の印象は異なるはずだ。 (c)NiYanqiang/Imaginechina/amanaimages

敷地内にはショッピングセンター、レストラン、ミュージアム、ギャラリー等に加え、既存の歴史的施設も内在する。市民および観光客にカルチャー、エンターテインメント、そして憩いの場を提供する地区となる予定だ。

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