さまざまなジャンルのラインナップを誇り、そのクオリティの高さに定評のあるNetflixのオリジナルドラマ。その中でもおすすめの作品を、「エミー賞受賞・ノミネート作品」「韓国ドラマ」「日本（国内）ドラマ」から紹介したい。

エミー賞受賞・ノミネート作品6選

『ザ・クラウン』

映画『クィーン』の脚本家ピーター・モーガンや『リトル・ダンサー』のスティーブン・ダルドリー監督ら大物クリエイターが製作に加わり、女王エリザベス2世を中心とする近代英国王室の人間模様を史実に沿ってドラマ化。庶民には決して覗くことのできない愛憎模様が赤裸々に繰り広げられ、忠実に再現された宮殿内部や衣装の豪華さと相まってクギづけにする。登場人物が年齢を重ねるのに合わせてキャストが入れ替わり、シーズンごとに新たな実力派俳優の熱演を堪能できるのも魅力だ。シーズン1から毎回エミー賞の主要部門に輝き、最新のシーズン4ではドラマシリーズ部門の主要7部門完全制覇という史上初の偉業を達成。全4シーズン。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』

1980年代アメリカの小さな田舎町を舞台に、12歳の少年の失踪事件や正体不明の少女の周りで起きる不可解な超常現象をミステリアスに絡めながら、町に隠された恐ろしい秘密に迫っていく。80年代当時の映画やポップカルチャーへのオマージュが随所に盛り込まれ、予測不能な急展開に翻弄されるSFミステリーとしてだけでなく、少年少女の成長をノスタルジックに綴った青春物語としても楽しめる。第69回エミー賞で編集賞など5部門、第70回エミー賞で音響賞を受賞。全3シーズン。

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『クイーンズ・ギャンビット』

『LOGAN／ローガン』の脚本家スコット・フランクが、冷戦期を舞台とするウォルター・テヴィスの同名小説をドラマ化。児童養護施設出身の米国人少女ベスが人並外れたチェスの才能を開花させ、男性中心のチェス界で繰り広げる快進撃を痛快に描いている。『スプリット』で一躍注目された若手女優アニャ・テイラー＝ジョイがヒロインに扮し、薬物やアルコールの依存症に苦しみながら、プレイヤーとしても人間としても成長を遂げていく姿を熱演。第73回エミー賞リミテッドシリーズ部門で作品賞など11部門を受賞。全1シーズン。

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『オザークへようこそ』

麻薬組織のボスの怒りを鎮めるために巨額の資金洗浄を行うことになった男性とその家族が、新天地のリゾート地オザークで過ごす生活を描いたクライムドラマ。平凡なファイナンシャルアドバイザーが犯罪の深みにハマりどんどん厳しい状況へ追いやられていく中、自らの頭脳だけを武器に組織と対峙する様をスリリングに魅せる。主演と演出を兼任するジェイソン・ベイトマンがエミー賞最優秀監督賞を、地元のチンピラ役ジュリア・ガーナーが同最優秀助演女優賞をそれぞれ2年連続で受賞。全4シーズン。

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『コブラ会』

1980年代に大ヒットした空手映画『ベスト・キッド』シリーズの約30年後を描いた続編ドラマ。主人公ダニエル役のラルフ・マッチオとライバルの空手家ジョニー役のウィリアム・ザブカがそれぞれ同じ役で再競演し、共にエミー賞にノミネートされた。映画の空手大会での敗北から負け犬人生一直線の中年男ジョニーが、コブラ会空手道場を再開すべく奮闘する姿を軸に描くという“映画との主役逆転”が、大人の共感を誘う妙味となっている。原作映画のフラッシュバックや当時のヒット曲をふんだんに使うオマージュも楽しい。全4シーズン。

『エミリー、パリへ行く』

大ヒットドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ（SATC）』のクリエイター、ダーレン・スターが手がけるハイセンス・コメディドラマ。華やかなパリで恋と仕事に全力投球する米国人女性エミリーの海外生活を、ヒロイン役リリー・コリンズがポジティブ・オーラ全開で演じて元気を与えてくれる。アメリカとパリのカルチャーギャップや、『SATC』のパトリシア・フィールドが監修する独創的かつカラフルな衣装も見どころ。第73回エミー賞コメディシリーズ部門で作品賞にノミネート。全2シーズン。

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韓国ドラマ5選

『イカゲーム』

人生の崖っぷちに立たされている456人の参加者たちが、賞金456億ウォンを目指して子供の頃に遊んだゲームに命がけで挑むサバイバルドラマ。“だるまさんがころんだ”など昔ながらの遊びが、死と隣り合わせの過酷な状況で真剣に繰り広げられるという、壮絶なバイオレンスとシュールな世界観が刺激的。デスゲームのスリルだけでなく、韓国の格差社会への風刺や、崖っぷち人生で後のない参加者たちの人間ドラマも丹念に描かれていて飽きさせない。全1シーズン。

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『地獄が呼んでいる』

『新感染　ファイナル・エクスプレス』のヨン・サンホ監督が手がけるホラードラマ。ソウルに突如現れた“地獄の使者”が人間たちを地獄へ突き落とすという怪事件と、その混乱に乗じた新興宗教による扇動──超常現象的なバイオレンスが繰り広げられる前者に対し、人間の弱さと集団心理が大衆によるネットリンチへとエスカレートしていく後者。現実では起こりえないオカルトチックな猛威と、現実世界でも顕在化している社会問題という、それぞれテイストの異なる恐怖で震撼させる。全1シーズン。

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『Sweet Home －俺と世界の絶望－』

韓国のWEB漫画を実写ドラマ化。さびれた集合住宅の住民たちと、残忍な怪物に突然姿を変えた人間たちとの戦いを、グロテスクな殺戮描写を惜しみなく盛り込んでスリリングに描く。怪物と戦う人間側にさまざまな境遇のキャラクターが揃い、見ていて誰か一人には共感したり身近な存在として感じながら、サバイバル・ストーリーに没入できるようになっている。人間の歪んだ欲望が怪物化の引き金になるという、現実社会の風刺を意識した設定も興味深い。怪物の恐ろしさを問答無用に印象づける、リアルで迫力満点なCG映像は必見。全1シーズン。

『人間レッスン』

人気ドラマ『梨泰院クラス』で注目を集めたキム・ドンヒの初主演作品。大金を稼ぐため罪悪感もなく犯罪の道を選んだ高校生が、同じ学校の女子生徒にその秘密を嗅ぎつけられたことをきっかけに窮地へ陥っていく様を、真面目な優等生という“表の顔”と違法行為に手を染める“裏の顔”を巧みに織り交ぜて緊張感満点に魅せる。学園ドラマとハードなクライムサスペンスの融合が大胆かつ刺激的で、韓国では「未成年者の犯罪を助長する」という批判も巻き起こるほど賛否両論を集めた。全1シーズン。

『キングダム』

16世紀の李氏王朝時代を舞台に、感染者をゾンビに変える謎の疫病の猛威とその謎の解明に挑む人々を描くミステリーホラー。陰謀や権力闘争といった宮廷ドラマ特有のドロドロした人間模様と、ゾンビものならではのスリルとアクションが融合し、新感覚の興奮を味わわせる。王の一人息子で疫病の謎を追う主人公に扮するのは、ドラマ『宮（クン）～Love in Palace～』でブレイクしたチュ・ジフン。他にも、主人公と共に疫病を調べる女医役にぺ・ドゥナなど、韓国を代表する豪華キャスト陣が集結している。全2シーズン。

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日本（国内）ドラマ4選

『全裸監督』

1980年代のアダルトビデオ業界に旋風を巻き起こした村西とおる監督の半生を、本橋信宏のルポルタージュを原作に描いたドラマ。パンツ一丁でカメラを担いだ独特の撮影スタイルでAV黎明期からバブル狂乱時代を駆け抜け、前科7犯・借金50億・懲役370年という壮絶な転落を遂げていく村西の破天荒な生きざまを、山田孝之が一切ためらいのない演技でエネルギッシュに魅せる。村西の公私に渡るパートナー・黒木香に扮した森田望智の体当たり演技も必見。なお、1話あたり1億円超という日本のドラマでは異例の製作費が投じられ、当時の東京の街並みやカルチャーをリアルに再現している。全2シーズン。

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『新聞記者/The Journalist』

現役新聞記者・望月衣塑子の同名ベストセラーをモチーフに、実際の事件を彷彿とさせる汚職疑惑に挑む女性記者の孤独な戦いをセンセーショナルに描いた映画『新聞記者』。藤井道人監督をはじめ同作の製作スタッフが再結集し、米倉涼子や綾野剛ら豪華キャストによる競演で連続ドラマ化した社会派エンターテインメント。政府による公文書改ざん事件の真相を新聞記者が追うという基本ストーリーは映画版をなぞりつつ、報道側と政権側だけでなく市井の人々の視点も加えて“それぞれの正義”を多角的に描くなど、映画の長さでは表現しきれなかった部分まで意欲的に掘り下げている。全1シーズン。

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『今際の国のアリス』

『GANTZ』『アイアムアヒーロー』など漫画原作の実写化を幾度も手がけてきた佐藤信介監督が、同名人気漫画を山﨑賢人と土屋太鳳のダブル主演でドラマ化。さまざまな“げぇむ”をクリアしなければ生き残れない“今際の国”に放り込まれた若者たちの過酷なサバイバルを、VFXを駆使した圧倒的な映像センスで魅せる。それまで人生に夢を見出せずにいた主人公アリスが、どんな苦境でも生きる意味を探し続けるウサギとの共闘を通じて、“生きること”に正面から向き合っていく成長劇としても見ごたえがある。全1シーズン。

『フォロワーズ』

世界的な写真家であり映画監督としても活躍する蜷川実花が手がけた完全オリジナルドラマ。中谷美紀が演じるアラフォー写真家リミと池田エライザが演じる20代の売れない女優なつめを軸に、仕事・恋愛・結婚・SNS・LGBTという多様な視点から、東京で悩み傷つきながら幸せを追い求める女性たちのリアルライフを追う。世界中のハイブランドの衣装をふんだんに使用し、蜷川実花の美学を色濃く感じさせるゴージャスな世界観は、「日本のポップカルチャーのイメージを色彩美で表現したドラマシリーズ」と海外からも評価されている。沢尻エリカをはじめとする大物カメオ陣にも注目。全1シーズン。

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