「カトレール」の相性で親しまれているクルマ「ルノー・4L」は、1961年に発表され、92年までに800万台以上製造された。世界100カ国以上で愛され、製造を終えてから約30年経つものの、今なお人気を誇っている。
そんなレジェンドと名高い 4Lの誕生60周年を記念して、ルノーはコンセプトカー「スイートN°4(Suite N°4)」を発表。車専門メディアはもちろんのこと、Wallpaperなどのデザイン誌も大きく取り上げ、話題を呼んでいる。
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世界的デザイナーが手がける贅沢な空間
スイート(Suite)という名前からも分かるように、コンセプトは「動く“高級スイートルーム”」。
クルマの心地よさを形容する際に「動く部屋」「動く我が家」といった表現がよく使われるが、デザインを担当したフランス人デザイナー、マシュー・レハヌール は「目指したのは、オープンエアのホテルです。それは『美しい部屋』という以上の、贅沢なお城のような空間」と語る。
4Lを単なる快適な乗り物ではなく、「高級ホテルのスイートルーム」に押し上げるという野心的な発想を形にしたのだ。
4Lオリジナルのレトロな曲線フォルムを活かしつつ、ボディの半分をポリカーボネートの窓でスケルトンにすることで生まれた広さと開放感が秀逸だ。キャビンにはあふれるように光が注がれ、野外が「見える」のではなく、野外も含めて「自分のスペース」であると感じさせる。
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ルーフにはソーラーパネルを設置
セメントのようなマットな質感の塗装がほどこされた白のボディに、アルミニウムのフロントグリルがオブジェのように輝く。ミニマルなデザインは「洗練」を、厚みのあるシェニール織の触り心地のよい座面ファブリックは「エレガンス」を演出する。
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また、サステイナブルな試みにも注目だ。EV車であることはもちろんのこと、ルーフにはソーラーパネルを設置するなど、未来を見据えた技術が搭載されている。
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ワゴン車でのキャンプや旅行は「必要なものを狭い車内に詰め込む」ような、どこかコンパクトなイメージが否めない。「ぜいたく」や「高級」とは無縁と感じている人も多いだろう。しかし「スイートN°4」はその固定観念を拭い去る「真のラグジュアリー」が味わえる車だ。海辺や山、森林など、どこにでも行けるワゴン車ならではの利便性と「移動可能なオープンエア・スイーツ」の組み合わせは、壮大な自然と景色を存分に味わうためのベストコンビネーションと言えるだろう。
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「スイートN°4」は現在、パリのシャンゼリゼ通りにある「アトリエ・ルノー」に展示中。3月に開催が予定されているインテリア&デザインのトレードショー「メゾン・エ・オブジェ」にも展示される予定だ。
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