1. BREITLING(ブライトリング)
クロノマット B01 42 ジャパン エディション ブラック マザー オブ パール
高精度を誇る自社開発・製造ムーブメント「ブライトリング01」を搭載した「クロノマット」に、ブラックMOPダイヤルを合わせた日本限定の特別バージョン。通常はレッドのクロノグラフ秒針とデシマルメーターをシルバーとホワイトに変更し、「B」のロゴもゴールド仕様に。汗が溜まりにくい筒状のルーローブレスレットは装着感も抜群で、研磨の仕上げも美しい。
2. RADO(ラドー)
トゥルー オートマティック オープンハート
0.6mmの極薄にスライスしたブラックMOPダイヤルを透かしてムーブメントが眺められるという、他にはない趣向を凝らした技巧派の一本。2016年に瞬く間に完売したマット仕様の限定モデルのコンセプトを再構築した。美しく磨かれたセラミックケースと併せ、独特の世界観を漂わせる。
3. EDOX(エドックス)
クロノオフショア1 クロノグラフ オートマティック ジャパン リミテッド エディション
水上を力強く疾走するパワーボートレースの世界観を表現した「クロノオフショア1」コレクションから、ブラックMOPダイヤルでエレガンスを添えた日本限定のクロノグラフが登場。堅牢なケース構造や耐傷性に優れるセラミック製ベゼル、500m防水といった強靭なスペックが手元に安心感を与える。
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手元で自分だけの個性を演出したいなら、MOP(マザーオブパール)の文字盤は、ひとつの選択肢だ。ブランドを代表する人気モデルとなれば他人とカブる恐れもあるが、天然素材ゆえに一つひとつ異なる表情を生むMOPダイヤルはその可能性もきわめて低い。
MOPとは、その名の通り真珠を育成する母貝で、内側の真珠層を切削して重ね合わせ薄く加工したもの。古くから指輪などのアクセサリーに使われてきた素材で、いくつもの層が織りなす幻想的な模様は世の女性を虜にしてきた。
MOPダイヤルといえば、従来は白蝶貝による乳白色が定番であった。光の反射で虹色に煌く華やかさもあって、上品なドレスウォッチやレディスウォッチに用いられてきたが、これをスポーツモデルに採用した先駆けがブライトリングだ。特に2000年以降、黒蝶貝を用いた日本限定モデルを展開し人気を博してきたが、ブラックMOPダイヤルは、エレガントな美しさの中に、力強い印象や大人の色香さえも感じさせる。
種類や産地、採取する貝殻の部位によって光沢や色味が同じものはなく、オンリーワンの希少性を手元に添えてくれるのが、MOPダイヤルの魅力。光彩によって現れる虹色の神秘的な煌めきは、これみよがしな印象はなく、さりげないラグジュアリー感を演出してくれることだろう。
並木浩一
1961年、神奈川県生まれ。時計ジャーナリスト。雑誌編集長など歴任し、2012年より桐蔭横浜大学の教授に。
※この記事はPen 2022年2月号「日本の建築、ここが凄い!」特集より再編集した記事です。