オリスはスイス北西部のヘルシュタインで1904年に創業。コストパフォーマンスに優れた高品質な時計づくりで知られるが、5年がかりで高性能な自動巻きムーブメント「キャリバー400」を開発した。このキャリバーは日付表示付きのセンター3針だが、これをスモールセコンドに変更し、さらに日付も小窓表示でなく針が指し示すポインターデイトにしたのが「キャリバー403」だ。
そして今回、この「キャリバー403」をオリスの代名詞ともいえるロングセラーモデルに搭載した「ビッグクラウンポインターデイトキャリバー403」を発売した。すでに特別限定モデルで採用されていたが、レギュラーコレクションでは初となる。
この「キャリバー403」は、スイスのクロノメーター規格を超える日差−3秒〜+5秒の高精度。時計の心臓部にシリコンなど非鉄金属や非磁性素材を導入しており、耐磁性にも優れている。主ゼンマイを収納した香箱をふたつ搭載することで、5日間のロングパワーリザーブを実現。他の時計に着け換えても、この期間内であれば動き続けているので、再び腕にするときに巻き直す面倒がない。もちろん日付の調整も不要。
自動巻きローターの改良などによって、10年間の保証付きなのもありがたい。機械式時計には不可欠なオーバーホール期間は10年が推奨されているので、メンテナンスコストをかなり低減できることも見逃せない魅力となる。なお、10年間の保証を得るには会員サービス「マイオリス」への登録が必要だ。
---fadeinPager---
デザインをコンテンポラリーにブラッシュアップ
新作のベースモデルとなった「ビッグクラウンポインターデイト」は、1938年に発表されてから80年以上の歴史を誇る。パイロットがグローブのままでも操作できるように大ぶりにしたリューズ(ビッグクラウン)と、ダイヤル最外周に日付表示をもつポインターデイトが特徴だ。日付表示は現在は小窓の数字が常識的だが、実はポインターデイトのほうが先輩にあたる。1カ月の経過が流れとして把握できるだけでなく、ダイヤルに穴がないことを評価する時計マニアもいるようだ。
こうした基本的なスタイルを踏襲しながらも、新作ではベゼルに細かな刻みを入れたコインエッジをなくし、なめらかな曲面で造形されたベゼルとケースサイドがメタリックに輝く。ダイヤルのアラビア数字も新しくデザインされており、太く力強いフォントとなった。これに対応して、針もクラシカルなカテドラル針(コブラ針)からストレートなペンシル型に変更。スモールセコンドが伝統を感じさせるが、濃紺のダイヤルと合わせて、コンテンポラリーにブラッシュアップされたといえるだろう。針とアワーマーカーや目盛りなどはすべてホワイトで統一しており、視認性は抜群。パイロットウォッチがルーツであることを改めて気づかせてくれる。
---fadeinPager---
時間だけでなく月日の流れも実感
メンズでは小径の38㎜ケースなので、スーツの袖にも違和感なくフィットする。手の届きやすい価格も含めて、普段使いに最適なモデルといえるだろう。濃紺のダイヤルと純白の数字の中で、日付を指し示す赤い三角が絶妙のアクセント。日々の経過を教えてくれる針が1周すれば1カ月が終わり、12時位置の1日から新しい月が始まる。月初、月半ば、月末など、指針の位置とともに大切な記憶が刻まれることもあるに違いない。時分秒だけでなく、月日の移ろいも実感できる時計なのである。
問い合わせ先/オリスジャパン TEL: . 03-6260-6876
---fadeinPager---