写真家・野村佐紀子が東根市の心象を写し取った、写真展「ノクターン」が開催

  • 文:上村真徹
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「ノクターン」展示写真。

湿度のある独特な作品世界を探究し続ける写真家・野村佐紀子。Pen本誌連載「創造の挑戦者たち。」の撮影も行う野村よる撮り下ろし作品を集めた写真展「野村佐紀子 ノクターン」が、2021年12月4日(土)から2022年1月30日(日)まで、東根市公益文化施設 まなびあテラス(山形県)で開催される。

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「ノクターン」展示写真。

この写真展は、地域と連携したアートの創造を目指す東根アートプロジェクトの一環で開催されるもので、野村が国内外でこれまでに発表し、世界的な評価を受けた作品から長澤章生が厳選した「野村佐紀子の世界」、野村が出会った「まちの情景」と「ひとの情感」が共鳴する「HIGASHINE」、そして野村の新境地を開く「ノクターン」による3部構成となっている。

2019年から2年間に渡って山形県東根市を訪れた野村は、その研ぎ澄まされた感性で街を見つめながら、1万数千枚もの写真を撮影し続けた。若き生命に満ちたエデンの果実、カタルシスの空を横切る鳥たちの影、生と死の陰影が交差するカーテンの小部屋、降り積もる静寂がすべてを覆う真っ白な雪原…。すべてが東根で実際に目に映る光景でありながら、被写体にありのまま寄り添って心眼のシャッターを切ることによって見えてくるもので、野村の新しい世界として写し出されている。

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「ノクターン」展示写真。

夜の闇に優しく響くノクターン(夜想曲)のように、見る者の心に優しく染みこむ野村の写真の数々。それは、闇の中を手探りで進む現代人にとって希望の光のように映ることだろう。なお、本展とともに写真集『野村佐紀子 ノクターン』も同時発刊される。

<開催情報>

開催期間:2021年12月4日(土)~2022年1月30日(日)
開催場所:東根市公益文化施設まなびあテラス市民ギャラリー・特別展示室
入場料:一般500円(フリーパス制高校生以下無料)※障がい者手帳をお持ちの方とその付添者1名無料
https://www.manabiaterrace.jp/event/art-gallery/nomura-sakiko-nocturne/

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