2021年12月5日、ヴァシュロン・コンスタンタンの新たな旗艦店がオープンした。場所は銀座の中心を貫く晴海通りとレンガ通りが交差する、これ以上ないほどの好立地。日本に舶来した1917年以来、長きにわたって日本とのつながりを築いてきた名門が、顧客との関係を強化するのにふさわしい場といえる。新たな“聖地”の名にふさわしい「ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店」の見どころに加え、メゾンの歴史と珠玉のタイムピースを紹介する。
メゾンの世界観を堪能できる空間

新しいブティックでは、新作や限定商品がいち早くお披露目される他、定番モデルも充実した品揃えとなっている。2階には時計職人と交流する“ウォッチメイキングベンチ”や“カスタムストラップステーション”が設置され、メゾンの世界観を存分に楽しめる旗艦店といえる。
また、イラストレーター兼絵本作家の山崎杉夫とコラボレーションしたアート作品がブティックを彩る。アート作品は、メゾンのブランドイメージと今年のテーマである「Classic with a twist(伝統的でありながら遊び心がある)」のビジョン、さらには山崎が銀座の街を実際に歩いているうちに目に留まったごく日常的な風景にインスパイアされたという。
歴史的なタイムピースたる「レ・コレクショナー」も日本で初めて常時販売される旗艦店は、目が離せない時計巡礼の “聖地”になるだろう。



---fadeinPager---
最も長い歴史をもちながら、時代の先端を走り続ける


右:1918年にアメリカ陸軍工兵隊のために製造された、ポケットウォッチ版のクロノグラフ。ケースバックには工兵隊の所有を示す“CORPS OF ENGINEERS U.S.A.”の刻印がある。


右:「レ・キャビノティエ・ウェストミンスター・ソヌリ ─ヨハネス フェルメールへ敬意を表して─」。レ・キャビノティエ部門がオーダーメイドで製作した複雑時計の傑作。
ヴァシュロン・コンスタンタンの魅力は両義的だ。どこよりも古く長い歴史をもちながら時代の先端を走り、複雑機構を究める技術を有する一方で耽美的な作品性を誇る。一般的な時計メゾンの常識で測れない振幅は、不思議な引力だ。「ヴァシュロン」と「コンスタンタン」というふたつの苗字を重ねたブランドネームは、世紀を跨いで人々を魅了し続けている。
1755年、現存する世界最古の時計メゾンを創業したのが、ジャン=マルク・ヴァシュロン。まだ24歳の時計職人によって開かれた工房は、息子、孫へと引き継がれていった。卓越した技術をもつ工房は1819年、フランソワ・コンスタンタンの参加によって劇的に運命を変える。コンスタンタンは欧州各地を巡り、王侯貴族や富裕層に「ヴァシュロン・コンスタンタン」の時計の魅力を説いた。秀でた職人たちがつくる時計の価値を伝える一方で、裕福な顧客の需要を受け止め、実現するプロデュースの能力も身につけた。
32年にニューヨークに事務所を設立すると、その名声は欧州を越えて広く知れわたる。精緻な複雑時計の数々が体現する技術力と、ジュネーブらしい工芸技法を凝らした美意識の評価は他を凌駕するものであった。科学的な客観評価である精度でも高い評価を得て、72年にジュネーブ天文台が開催した初のクロノメーター精度コンクールで受賞。精度における絶対的な信頼は、現在まで変わらない。
シンボルのマルタ十字は1880年から、ジュネーブ・シールの認証は1901年から続く。その伝統の一方で、アジアでの経験豊富なCEOが市場を精査し、ヘリテージに精通したディレクターが的確に魅力的な製品を形にしていく。創業266周年のメゾンは、攻めることをやめない。
---fadeinPager---
世界を驚かす複雑時計へのたゆまぬ挑戦

ヴァシュロン・コンスタンタンにとって、複雑さへの挑戦は運命のようなものだ。長い歴史の中で、このメゾンは数多の複雑時計の製作を依頼され、独自性を求められてきた。キャビノティエの高い誇りと並外れた技術が、そのすべてに応え続けてきたのである。
こうして誕生した特別な時計の数々はコレクターに愛蔵され、我々の目には触れることも少ない。しかし例外もあり、パッカード自動車の創業者J・W・パッカードやエジプト国王ファード1世の懐中時計などは、のちに公開され、人々を驚かせ、大いに沸かせた。複数の複雑機構を網羅した逸品は21世紀に入ってオークションに登場し、それぞれ約180万USドル、330万スイスフランの巨額で落札されたのである。
ヴァシュロン・コンスタンタンの技術力と美意識を結集した極致ともいえる現代の傑作が「リファレンス57260」だ。2015年に発表された「史上最も複雑なタイムピース」は、現在もその座を譲っていない。搭載された複雑機構の数は、両面合わせてなんと57。世に知られている超絶機構のほぼすべて網羅し、さらに美術品クラスの造形と装飾が凝らされている。持ち主は明かされていないが、その品は時計がどれだけの高みに登れるものであるかを、雄弁に語るのである。


右:リューズ真下のサークル。ふたつのくびれをもつポワール・スチュワート型の青い針は時刻表示の時針で、先端を三角にかたどったゴールドの針でアラーム時刻をセットする。短いゴールドのリーフ針は、月相とレイルウェイ型の月齢インデックスを指し示す。右側の扇型ではアラームのトルクとパワーリザーブをレトログラード針で表示するとともに、アラームの音色がノーマル(N)とカリヨン(C)のどちらの設定かを表示。


右:右側のサークル中央から伸びる針は、長いものからムーブメント本体のパワーリザーブ、クロノグラフの12時間積算計、内側の短い針はユダヤ暦永久カレンダーの機能のひとつで、19年を1サイクル(メトン周期)とする太陽太陰暦のユダヤ暦で何年目に当たるか(ゴールデン・ナンバー)を表示。右下の小窓はユダヤ暦で月の名前を表示する。文字盤中央から右上に伸びるのは分針、右下に伸びるのはクロノグラフのレトログラード秒針。
---fadeinPager---
歴史を受け継ぐ最新コレクション

中右:「ヒストリーク・アメリカン 1921」。 米国市場に向けて1921年にごく少量だけ生産されたモデルの再来。アールデコ・デザインを斜めにセットした“崩し”の大胆さが美しい。手巻き、18KWGケース、ケース径36.5㎜、パワーリザーブ約65時間、ジュネーブ・シール認証、シースルーバック、カーフストラップ(ブラウンとバーガンディの2本のストラップが付属)、30m防水。¥3,608,000(税込)
中左:「トラディショナル・コンプリートカレンダー」。 文字盤外周を指すポインターデイトに加え、曜日と月を小窓で表示する秀逸なカレンダーウォッチ。群青の夜空にゴールドの月が浮かぶ、繊細なムーンフェイズが趣を添える。自動巻き、18KPGケース、ケース径41㎜、パワーリザーブ約40時間、ジュネーブ・シール認証、シースルーバック、ミシシッピアリゲーターストラップ、30m防水。¥4,884,000(税込)
左:「パトリモニー・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー」。 超薄型の自動巻きムーブメントを搭載したエレガントな永久カレンダー。サブダイヤルに月・閏年、曜日、日付を配し、星が煌めくムーンフェイズと絶妙のバランスを見せる。自動巻き、18KPGケース、ケース径41㎜、パワーリザーブ約40時間、ジュネーブ・シール認証、シースルーバック、ミシシッピアリゲーターストラップ、30m防水。¥9,944,000(税込)

左:「ウール・クレアティブ・ウール・ロマンティック」。1916年製作のヒストリックピースにインスピレーションを得たモデル。123個のラウンドカット・ダイヤモンドがセットされ、文字盤はMOP。手巻き、18KWGケース、ケースサイズ36.2×26.5㎜、パワーリザーブ約40時間、サテンストラップ(ブラックのミシシッピアリゲーターストラップが付属)、30m防水。¥6,952,000(税込・ブティック限定モデル)
ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店のPVも公開中!

ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店
住所:東京都中央区銀座4-3-9
営業時間:12:00~20:00 無休
TEL:03-6862-1755
問い合わせ先/ヴァシュロン・コンスタンタン
TEL:0120-63-1755
山崎杉夫とのコラボレーションについてはこちらから