腕時計のダイヤルが年々カラフルになってきた。アワーマーカーのアラビア数字をさまざまに彩色したモデルも発売されているが、カール F.ブヘラの新作「マネロ フライバック シグネチャー」のように、クサビ形インデックスを華やかなパステルカラーにしたクロノグラフは初めてではないだろうか。
それもそのはずで、この新作はスイス・ジュネーブで1915年に創業した筆記具や画材のブランド、カランダッシュとのコラボレーションによる特別限定モデルであり、世界的に有名な同ブランドの色鉛筆をモチーフにしているからだ。カール F.ブヘラもスイスの風光明媚な観光都市・ルツェルンで1888年に開業した時計宝飾店がルーツ。1919年からオリジナルの時計を手がけており、同じスイスで1世紀以上にわたって家族経営を続けてきたレガシーやこだわりのクラフトマンシップ、サステイナブルな未来へのビジョンを共有していることが、両ブランドを結び付けた理由としている。
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パステルカラーのインデックスが軽快感
カール F.ブヘラは、時計外周に配置したリングの回転でゼンマイを巻き上げる「ペリフェラルローター」搭載のムーブメントを、2008年に自社開発した。このペリフェラル機構をトゥールビヨンのケージ回転に応用するなど、高度な技術力でも知られている。四辺をソフトにカーブさせたスクエアモデル「エボテック」をはじめとして、ラインナップも多彩。今回のコラボモデルのベースとなった「マネロ」は最もオーソドックスな丸型のコレクションであり、「マネロ フライバック シグネチャー」は計測途中でもワンプッシュでリスタートできるクロノグラフだ。
30分積算計と通常秒針からなるふたつのサブダイヤルは、メインダイヤルのシルバーとのコントラストが際立つグラファイトグレー(灰色に近い炭色)。指針もホワイトとレッドなので視認性は抜群だ。このモノトーンの組み合わせに、クサビ形インデックスの上半分を暖色、下半分を寒色にしたバステルカラーが軽快で独特の個性を加えている。ストラップも、レッドで縁取りしたベージュのテキスタイルにグラファイトグレーのカーフパッチをコンビネーション。自分で簡単に交換できるNATOスタイルなので、鮮やかなブルーのテキスタイルにネイビーブルーのカーフパッチを加えた付属ストラップへの付け替えも容易だ。
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刺激的で魅力的な新スタイルを
これらがトラベルポーチに収納されているだけでなく、その脇にセットされたカランダッシュ特製ローラーボール(水性ボールペン)も嬉しい付属品だ。こちらも時計のリューズをイメージしたストライプ模様が彫り込まれている他、その下部に手作業でラッカー仕上げされたマルチカラーの三角シンボルが、「マネロ フライバック シグネチャー」のインデックスに対応している。クリップに刻まれた細い赤のラインも、30分積算計の指針をイメージしたという。
カール F.ブヘラが日本に本格上陸したのは2007年。多彩なモデルを発売してきたが、このコラボモデルはかつてない明るさと小粋なセンスが感じられる。異業種であるカランダッシュとの提携によって、刺激的で魅力的な新たなスタイルを獲得したといえそうだ。
問い合わせ先/スイスプライムブランズ TEL:03-6226-4650
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