ユニクロ×デザイナー ジル・サンダーの+J(プラスジェイ)のラストシーズンとなる秋冬コレクションが、2021年11月12日(金)を皮切りに発売される。Pen Onlineは直前の最終チェックのためショールームを訪問。いま大切な“長く着られる”、さらに、“大人の顔に合う”をテーマに、本当に役立つアイテムを厳選して撮影した。4回にわけてお届けする第1回目の今回は、コートとブルゾン編。
ユニクロとファッションデザイナーのコラボは毎回争奪戦になる話題のシリーズだ。なかでも世界のモード界に大きな影響を与えたジル・サンダー女史が手掛ける+Jは、都会的で上質な色・素材・シルエットでふだんは高価な服しか着ない人をも魅了。幅広い層が狙うシリーズになっている。
自身が立ち上げたブランド、ジル サンダーを売却して引退したドイツ人デザイナーが、ユニクロとのコラボで再びファッション界に舞い戻ったニュースが世界中を駆け巡ったのは09年のこと。5シーズン続き一旦終了したが、長い時を経て復活したのが20年。その後3シーズン続いた今回の秋冬シーズンで完結となる。
もはや買い逃し厳禁なラストコレクションは、ユニクロが掲げるベーシックの範疇ながらトレンドを意識したデザインが多い。そのなかから最短でも5年は着たい大人目線で、ロングライフ対応のものを探した。
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ミリタリー調のゆったりピーコート
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イチオシのアウターはこのピーコート。トラッドな定番に基づいたデザインで、ウールメルトンの固めの風合いも本格的だ。イギリス海軍らが着たルーツを持つこの服が、よりミリタリー色を強めたような珍しいオリーブ色が秀逸である。街中だけでなく森林周辺を散歩するアウトドアにも合うムードに仕上がっている。ピーコートの基本色はネイビーであり+Jでも用意されているが、大人はまずこちらに注目したい。貫禄の出た顔を品よく男っぽく演出してくれるはずだ。
肩幅も身頃も大きな丸みのあるビッグシルエットは現在のトレンド感覚。見方を変えればアランセーターやスウエットパーカといった厚手の服の上に着られる形でもある。長く続いたオーバーサイズ流行はそろそろ落ち着きそうだが、長く活用できるだろう。スーツの上に羽織ってもよく、ビジネスシーンに通用する品格のあるピーコートだ。
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ハイブリッドダウンMA-1
戦闘機パイロットの制服MA-1は、13年頃から世界中でリバイバルヒットしたのが記憶に新しい。近ごろまた少しずつ人気が復活しはじめた。ロングコートに象徴される着丈が長い服の人気が長く続いただけに、いまはショート丈が新鮮に思える。定番ミリタリーアウターは一着持っていると、たとえ流行から外れてもまた着るチャンスが訪れる。この機会に新調するのもいいだろう。
ベースはクラシックMA-1で、すべてがモダンにブラッシュアップされた。シェルはユニクロご自慢のハイブリッドダウンで抜群の暖かさだ。高品質の割に爆安のお買い得品である。ボディの色はシャープな黒もあるが、ここでは穏やかな茶系のグレーを選んだ。いい年の大人が黒ナイロンを着ると、貧相に見える心配があるからである。若い時期と違い年齢を重ねると、黒は肌のくすみやシワを浮き上がらせる色になる。マフラーや帽子も黒は難易度が高くなることを気にしておこう。秋の街路樹や公園が似合うこちらの色なら、誰が着ても見栄えするに違いない。

ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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