本国イームズオフィスのこだわり!80周年記念展@伊勢丹新宿店がはじまった<ミニチュア模型編>

  • 写真・文:高橋一史
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イームズオフィスが復刻制作した、幻のプレハブ邸宅の超精密模型の内部。奥にいるのはイームズ夫妻。

はじまりましたね!
イームズ80周年を記念する販売&展示イベント「Eames Office: 80 Years of Design」が。
2021年11月5日(金)から22年1月5日(水)が開催期間で、たっぷり2ヶ月あります。
場所は気軽に行ける、東京・伊勢丹新宿店 2Fのファッション・化粧品フロアにある「イセタン ザ・スペース」。
雑貨ショップやインテリアショップ気分でふらりと寄れちゃいますから、イームズの名を知らない人も楽しめそう。

オープン2日前のプレスプレビューの様子をお届けしましょう。
がっちりと白壁で囲い、買い物客に見せないようにした厳重シークレット体制。
なので今回のレポではフロアが写真に写っていませんが、実際はギャラリーのような箱でなくオープンスペースです。
開放的で窮屈な印象はないと思います。

さて!
イームズといえば20世紀半ばにライフスタイルとカルチャーを創造したインテリアオフィス。
デザイナーはかつて男性のチャールズ・イームズの名が主に語られてきましたが、実体は画家でもあった妻のレイ・イームズとの共同作業。
いまはすっかり“チャールズ&レイ・イームズ夫妻”や“イームズ夫妻”と呼ばれるようですね。
(家具に詳しくない人間が偉そうに語っておりますが)

このたびのイベントはアメリカ本国の現イームズオフィスが全面協力したもの。
特別につくられた、夫妻が好んだ日本をフィーチャーした歴史年表や特製オブジェクト、先行・限定発売の椅子など見どころが満載。
なのでこのブログでは2回にわけてお届けするとして、第1回目のここでは、2点の建築模型にフォーカス。

まじ凄いです!
超精密で、ちっちゃな人(アリエッティよりもっと小さな)なら完全に住めるレベル。
布の織りまで縮小されてますから、どうやってつくったのかわかりません。
モノにより成型してたり?
プラ樹脂の素材感、植木鉢の焼き物感、木の幹の質感などの再現度がまー素晴らしくて。

まずは夫妻が住んだ自宅の「イームズハウス」から。
竹中工務店が制作した渾身の模型を持ち運んだものです。

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左側がイームズハウスの模型。外側に並ぶのはユーカリの木を模したもの。

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温室のようなガラス張りで自然光が降り注ぐボックス型の家。

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なんでしょう、このリアリティ!レンガの小庭に置かれた岩の質感とか意味わかりません。

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本当に光が降り注いでいるかのごとく。お馴染み「シェルチェア」の青い色が美しいアクセント。

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もう精密すぎて、会場では顔を近づけられないからここまでの再現度には気づきませんでした。あとで写真を見て驚愕。

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小庭を挟んだ自宅の右側がスタジオ。仕事と暮らしを少し切り離していたようですね。

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家の裏側のなんと魅力的なことか!子供のころに家の正面より裏面が大好きでした。私が変わり者なだけか……。

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続きまして、未建築の「イームズモジュラーハウス」(1951年)を。
プレハブ工法で簡単に、比較的短時間で組み立てられる構造の設計だったそう。
実用性重視のイームズ夫妻らしい発想です。
当時はスポンサーの資金繰りで幻に終わったそう。
模型も失われており、現イームズオフィスが1年以上かけて12分の1スケールで復刻。
現代の人々に向けた、ミッドセンチュリーの革新の新しい提案だそうです。

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木材むき出しで日本人好みな北欧的色彩。いまのファッションにも通じるセンスです。

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室内にはファン垂涎のイームズの家具が。

こちらの写真は以上です。
実は模型の正面がフロアを遮る白壁でして、人ひとり通れるギリのスペースしかなく、家のなかがよく見えず。
ガラスの反射も多くて撮影できませんでした。
イベントがオープンして壁が外されたいまは、しゃがんでゆっくり見られるはずです。

次回のこのブログでは会場全体を眺めて、ちょっとインテリで都会的なカルチャーワールドに突入しまのでまたご覧くださいませ。

三越伊勢丹の同イベント情報サイト

www.mistore.jp/shopping/feature/women_f2/eames_w.html

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。