マットなダークグレーのケースとダイヤルに、鮮やかなコントラストのオレンジを要所にコンビネーション。ショパールの「ミッレ ミリア」は、イタリアで開催される同名のクラシックカーレースを記念して1988年から製作されてきたが、これまで見たことのない個性的なカラーリングの新作クロノグラフが登場した。
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ケースカラーはヴィンテージカーをイメージ
イギリス・ロンドンに本拠を置くカスタム時計メーカー、バンフォード ウォッチ デパートメントとのコラボレーションと説明すれば、時計通は納得するかもしれない。高級時計のデザインを要望に応じてパーソナライズすることで、セレブを中心に人気を高めてきた会社であり、設立は2003年に遡る。創業者のジョージ・バンフォードが最初に手がけたのは自身が持つロレックス「デイトナ」で、ケースをなんとDLC(ダイヤモンドライクカーボン)でブラックコーティング。前代未聞の“黒いデイトナ”が人気となり、それがきっかけで起業したとされる。高度な技術力と卓越したデザインセンスが評価され、2017年にはLVMHグループの公認カスタマイザーに選定された。
今回の新作「ミッレ ミリア バンフォード エディション」も、ケースはDLCだがビーズブラスト加工によって艶消しの渋いダークグレーに仕上がっている。DLCは金属を炭素皮膜で覆う表面硬化処理で、傷がつきにくくなる効果がある。これにガラスビーズなどの微粒子を空気と混合して吹き付けるビーズブラスト加工を施して、ヴィンテージカーの雰囲気を演出したという。
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高級時計の新時代を予感させる逸品
ダイヤルもマットグレーで合わせているが、通常秒針(3時位置)とクロノグラフ積算計の針などにオレンジでデザイン。抜群の視認性だけでなく、スタイリッシュなイメージに仕上がっている。ケース側面にはステアリングホイールが刻まれたリューズとピストン型のふたつのプッシュボタン。コーデュラ仕上げのブラックラバーストラップも、レーシング感覚で見事に似合っている。ストラップ両側のステッチと、裏側のカーフレザーライニングにもオレンジを配しており、アクティブで洒落た色気が感じられる。
こんな「ミッレ ミリア」もありなのかと瞠目させられる逸品だが、残念ながら世界限定で33本。だからこそ価値があるといえるだろう。こうした意表をつくようなリミテッドエディションは今後も次々に登場する可能性が高い。高級時計ブームは確実に次世代に突入した。そんな嬉しい感覚をもたせてくれる新作だ。
問い合わせ先/ショパール ジャパン プレス TEL:03-5524-8922