プロが教える、自宅でできる簡単な「日本酒の燗酒」のつくり方

  • 文:千葉麻里絵
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夏があっという間に過ぎて肌寒くなってきましたね。長袖を着なきゃ!と洋服を取りだしている間もなく、マフラーを巻く準備をするスピード感とそんなことはお構いなしの冬のびゅんと吹く風と冬の匂い。個人的には大好きな季節です。


こんな時期には、温かいお酒を飲んで一息つく時間がたまりません。日々忙しくしてる皆さま、少しの時間でホッとする体験をしてみませんか?今回は自宅でつくれる簡単な日本酒の燗酒を紹介します。燗酒は専用の道具がないと難しいのでは?と思われがちですが、大丈夫です。自宅にあるものでおいしくできます。

飲食店でプロが燗酒専用の道具を使ってつくる日本酒はもちろんおいしいですが、この自宅での燗酒もまた待ってる時間がたまらないのでぜひお試しください。自分と向き合う時間と温かいお酒は、心にじわりじわりと沁みます。

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自宅での燗酒のつくり方

① 磁器か陶器のマグカップ、又は湯呑みが肩まで浸かるくらいの水を鍋に入れる
②強火でお湯を沸かし、沸騰したら火を止める
③マグカップに好きな日本酒を半分ほど入れて鍋で3〜4分放置
③鍋から取り出しできあがり

こちらの燗酒のポイントは、温度と入れ物です。プロのつくる燗酒、失敗してしまう燗酒は日本酒に対する温度が高いのです。お湯の温度と道具が、錫や銅の金属なので熱伝導率が高い。うまくいけば、バチッと決まりますが、その分難しい。


しかし今回ご紹介したものは、お湯の温度は高温でキープしながらも火を止めているのと、入れ物が金属ではないのでゆっくりと日本酒の温度があがっていきます。なので失敗知らず!なんなら、途中で鍋から取りだして味見をしながらってのも楽しいと思います。ゆっくりと時間が過ぎていく中で、マグカップから漂ってくる日本酒の香りもお楽しみください。

選んでいただく日本酒は自分の好きなもので良いと思います。これは燗酒にしてはダメというものはございません。私のおすすめとしては、香りが華やかなタイプよりは香りが穏やかで冷酒でも飲み飽きしない純米タイプが最近好きです。みなさま、素敵な日本酒燗酒タイムを!

千葉麻里絵

日本酒ソムリエ、恵比寿の日本酒バー「GEM by moto」店主

化学的知見をもとに一人ひとりの“いま”に合った日本酒を提供。料理人とコラボし、日本酒体験に時間と空間と温度を取り入れた新スタイルを模索する。日本酒の提供に論理的アプローチを取り入れたSAKEカルテも考案。

千葉麻里絵

日本酒ソムリエ、恵比寿の日本酒バー「GEM by moto」店主

化学的知見をもとに一人ひとりの“いま”に合った日本酒を提供。料理人とコラボし、日本酒体験に時間と空間と温度を取り入れた新スタイルを模索する。日本酒の提供に論理的アプローチを取り入れたSAKEカルテも考案。