ゼニスでは2021年4月からオンラインブティックをオープン。ウェブサイト限定販売モデルとして「クロノマスター オリジナル Eコマース エディション」が登場した。ゼニスは1969年に世界初のハイビート(毎秒10振動)自動巻きクロノグラフ・ムーブメント「エル・プリメロ」を発表。「クロノマスター オリジナル Eコマース エディション」は、この1/10秒を刻むムーブメントを搭載した初代モデル「A386」を再解釈。ハイビート・クロノグラフを象徴する3色のクロノカウンターを継承するだけでなく、ダイヤル外周にも配色を発展。ムーブメントも、2019年に「エル・プリメロ」誕生50周年を記念して新開発された「エル・プリメロ3600」を搭載している。
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歴史的傑作を継承する正統派ムーブメント
「エル・プリメロ3600」の際立った特徴は、輪列の4番車に連結して駆動する従来のクロノグラフ機構を革新したことにある。4番車より速く回転するガンギ車の軸から直接的に動力を得る仕組みによって(2件の特許を取得)、クロノ秒針は10秒でダイヤルを一周する。通常は1分で1回転なので、1/10秒単位の目盛り幅が広くなり、より見やすくなった。さらに、高速振動のムーブメントはゼンマイ消費もそれだけ早くなるが、「エル・プリメロ3600」はシリコンパーツの導入などによって、パワーリザーブを従来に比べて10時間長い約60時間に延長。また、リューズを引けば秒針が停止するストップセコンドの採用で秒単位の調整も容易になり、実用性が大幅に向上している。
ゼニスでは1/100秒を計測できる次世代の「デファイ エル・プリメロ21」もラインナップしているが、こちらのムーブメントは通常輪列のほかに1/100秒計測用の高速振動輪列を備えている。動力ゼンマイも別々なので、いわば高精度ストップウォッチをそのまま腕時計に組み込んだと表現できるかもしれない。それに比べて「エル・プリメロ3600」は、機構として紛れもなく正統的な直系であり、後継と呼ぶにふさわしい進化を遂げたといえるだろう。
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スイス本社直営ブティックオープン記念モデルも発売
新作の「クロノマスター オリジナル Eコマース エディション」は、全体のプロポーションやスタイルはオリジナルを踏襲。ベゼルがなく、盛り上がったボックス型風防が独特の雰囲気を感じさせる。ただし、サブダイヤルをブルー(60秒積算計)、グレー(60分積算計)、ライトグレー(通常秒針)の3色にするだけでなく、ダイヤル周縁の1/10秒目盛りも同じく3色に分割して、顔つきをスタイリッシュに引き締めている。ちなみに、ダイヤルの最外周は小数点による0.5秒刻みの目盛りで、すぐ内側は1/100秒単位の分数目盛り。赤いクロノ針が6時位置に止まれば、50/100となり(10秒を100で割った50目盛分で)5秒となる。
ストラップのカーフレザーも、3色に合わせてベースカラーはソフトな色味のダーク。接続部のループステッチの右側はブルー、左側はライトグレーにしており、小粋な統一感を与える。ケース径38㎜もスーツなどの袖口にスムースにフィットする。スイス本社の直営ブティック開設を記念した「クロノマスター オリジナル ブティック エディション」も発売されており、鮮やかなブルーとホワイトのツートーンが清新な印象を与える。
クロノグラフは人間が秒針を自由に動かせる唯一の機構といっていい。時間に急かされ追われるのでなく、自らクロノ秒針をスタート、ストップ、リセットすることで、逆に時間を支配したような快感が得られる。だからこそ、精緻で高精度であればあるほど高い満足につながるのである。
問い合わせ先/LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス TEL:03-3575-5861
https://www.zenith-watches.com/
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