1963年に誕生した「カレラ」は、タグ・ホイヤーを代表するクロノグラフであり、同社とモータースポーツの深いかかわりを示すシンボルといっていい。5日間で約3000㎞を走破する過酷極まりない公道レース「カレラ パナメリカーナ メヒコ」から「カレラ」と命名されたことは広く知られており、それだけにプロフェッショナルなレーシング・クロノグラフとしてのイメージが強いが、デザイン的にも卓越していた。ダイヤル周縁の盛り上がったフランジに1/5秒目盛りを配置するという独創的なアイデアでダイヤル面を拡大。視認性が向上しただけでなく、ベルトとの接合部であるラグもシャープな直線で構成。腕に載せた時の安定性を考慮した造形だが、こうした機能の追求が結果的にエレガントなスタイルを生み出したといえるだろう。
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モダンなルックスとタフな構造
このため、2000年代初頭にセンター3針モデルが登場したのは決して不思議ではない。クロノグラフの積算計がないだけに、精緻で美麗なダイヤルの魅力をピュアに感じられるからだ。そして2021年に、満を持したようにアップデートされた4タイプ13モデルの新作がデビューした。初代モデルのエッセンスを継承しながらも、より洗練されたモダンなルックスに仕上がっている。アプライド(植え込み)の立体的なバーインデックスと太い針が力強さを感じさせ、直線的なラグも頑健な印象。どのモデルも100m防水なので、想定外の状況にも遭遇する普段使いでもタフに耐えてくれる。新開発のH型リンクで構成されたブレスレットも堅牢かつスタイリッシュ。アクティブに使いこなせる、信頼できるパートナーになるはずだ。
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時を「楽しむ」ためのエレガントなモデル
新作のバラエティをケース径から紹介すると、41㎜でデイデイト(曜日と日付表示付き)、第2時間帯表示と日付を備えたGMTの2タイプ。ケース径39㎜は日付表示モデル、同じく日付表示付きでケース径29㎜の2タイプがある。この合計4タイプでダイヤルカラーとベルト(ブレスレットまたはストラップ)などの組み合わせで13モデルが揃っている。
最上級機種となるGMTも、フランジに24時間計をプリントしているので、ダイヤルの開放感に変わりはない。しかも昼と夜を示すブルーとシルバーの色分けが、個性的なアクセントになっている。
タグ・ホイヤーでは、「『カレラ クロノグラフ』が時を『記録』するための最もシャープで読み取りやすいモデルとすれば、3針モデルは時刻を『表示』するための最もシャープで読み取りやすいモデル」としている。できることなら、これをもう一歩進めて、時を「楽しむ」ための腕時計として愛用していただきたいのだが、いかがだろうか。
問い合わせ先/LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL:03-5635-7054