【Penが選んだ、今月の音楽】
ロックダウン中のインスタライヴや昨年12月発表のカバーEPでも存在感を示したUKの孤高の天才による、2年半ぶりの5作目。意匠ともいえる深遠なるエレクトロ・サウンドを控えめにしつつ、憂いを帯びた優しい歌声で心の闇をポップに歌う、これまで以上にメインストリームでの輝きを放つコンセプト作となった。ミニマルなリズムと浮遊感のあるサウンドに、感情を深く掘り下げた彼の歌唱とメロディメイカーとしての魅力が浮き上がる。シザ、J.I.Dなどの客演も花を添える、秀曲揃いの充実盤だ。