「人の世の栄枯盛衰は、はかないものである」のたとえとして使われる故事『邯かん鄲たんの夢』から店名は付いたという。店舗のある築80年の建物は2023年には解体予定。解体までの期間限定の和菓子バーにて、儚くも美しい菓子と出合える。
色彩の濃淡が雅な菓子は、店主の寿じゅ里りさんがひとりでつくる。「小さい頃から菓子づくりが好きで、和菓子はほぼ独学」。だからこそ枠にとらわれない新たな菓子を生み出す。創作の練り切り「嬉々(きき)」は、塩気のあるチーズを中に忍ばせ、レモンが香る黄身あんで包み、さらにまわりを白あんで仕上げる。中心のチーズはなめらかな質感で、レモンの香りを纏い、まるでチーズケーキのよう。日本茶だけではなく、紅茶やワインとも合う、和と洋の垣根を越えた逸品だ。
オフィスワーカーが購入できるよう、平日は夜遅くまで営業。「仕事で疲れた心を菓子で癒やしたい」という店主の心意気を感じる。
かんたんなゆめ
Kantan na Yume
住所:東京都中央区日本橋室町1-6-7 3F
TEL:050-5362-1781
営業時間:18時~23時(水~金)、13時~17時・18時~20時(土)、13時~17時(日)
定休日: 月、火(ほか不定休あり)
※要予約
https://www.instagram.com/kantan.na.yume/?hl=ja
※新型コロナウイルス感染防止の諸事情により、営業日時や販売期間が変更になる場合があります。