1970年代にクォーツショックが到来する直前の60年代は、機械式時計の黄金時代といわれる。スポーツカーも同様に、70年代はオイルショックと排ガス規制の逆風に晒されたことから、カーレースも含めて60年代がひとつの絶頂期とされている。とりわけアメリカでは“マッスルカー”と呼ばれる大排気量のV型8気筒エンジンを搭載したスポーツカーが次々に登場。ブライトリングでは、その中でも圧倒的な人気を集めた3台の名車からインスピレーションを得たクロノグラフ、「トップタイム クラシックカーズ カプセルコレクション」を発表した。
アメリカのクルマ文化の象徴でもある「シボレー コルベット」「フォード マスタング」「シェルビー コブラ」のイメージを、大胆なカラーリングで表現した3タイプをラインナップ。クロノグラフ本体もブライトリングが1964年に発売した「トップタイム」をベースにしており、同年代を生きただけでなく、革新性も共通している。というのも「トップタイム」は旧来のデザインコードを若い世代に向けて解放。「ゾロ・ダイヤル」と呼ばれるファンキーな隈取りの2つ目玉や、レアな角形ケースまで多彩なモデルを開発しており、当時の若者を熱狂させた“マッスルカー”との相性は抜群といえそうだ。
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クロノグラフ針は30秒で1回転
新作の基本的なスタイルは、ピストン型のプッシャーをアクセントとするモダンレトロな雰囲気のクロノグラフ。1㎞を走破した秒数で平均時速が分かるタキメーターをインダイヤルで備えているほか、ケースバックには各自動車メーカーのロゴが刻まれている。このケースに穴あきのパンチング加工を施したカーフレザーをコンビネーション。ブライトリングらしく、すべてCOSC公認クロノメーターの自動巻きだが、ムーブメントと積算計などが異なる。
ダイヤルベースに鮮烈なレッドをアレンジした「シボレー コルベット」と、グリーンにブラックのサブダイヤルを持つ「フォード マスタング」は、クロノグラフ秒針が30秒で1回転する「ブライトリング キャリバー 25」を搭載。タキメーターの目盛りもこれに対応しており、たとえば6時位置は通常の(時速)120(㎞)でなく2倍の240(㎞)と記されている。クロノグラフ秒針が2回転して1分となるため、分積算計は通常の半分の15分積算計となっている (9時位置)。6時間積算計(6時位置)、それにスモールセコンド(3時位置)の3つ目玉ともにブラックで、目盛りは見やすいコントラストのホワイト。タキメーターにオレンジとイエローの差し色を施すなど、遊び心も感じられる。
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旅するような自由な気分に浸るための“マシン”
両モデルともにケース径は42㎜だが、「シェルビー コブラ」はコンパクトなボディに大型エンジンを装備した伝説的なシリーズであることに敬意を表して、やや小ぶりな40㎜。ムーブメントもクロノグラフ秒針が1分で1回転する通常タイプの「ブライトリング キャリバー 41」を搭載。6時位置には積算計と誤認しそうな大きさのコブラのロゴが睨みを利かせているが、9時位置に30分積算計、3時位置がスモールセコンドの2つ目玉だ。ブルーのダイヤルベースにホワイトのタキメーターが清新な若さを感じさせる。レッドの差し色は情熱ということだろうか。
ブライトリングのジョージ・カーンCEOは、テーマにしたクラシックスポーツカーと、このコレクションについて「“速さ”ではなく“旅”することが大事なのです」とコメントしている。時を測るのでなく、むしろ旅先のような自由な気分に浸るための“マシン”と解釈できるかもしれない。アスファルトを疾走するマッスルカーを想像しながら、プッシャーを操作して針の動きを楽しむためのクロノグラフといえそうだ。
問い合わせ先/ブライトリング・ジャパン TEL:0120-105-707
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