昔からひそかに人気、でもあくまで裏メニュー的存在だった、中華料理店のカレー。どこか懐かしい味わいは、スープのなせるワザだった!
1. 珉珉/赤坂
大きめにカットされたナスとピーマン、そして鶏のササミが存在感を示す「茄子咖哩丼」は「珉珉」の人気メニューだ。始まりは、「単品の茄子咖哩を、丼で食べたいという常連さんからの要望です」と、2代目店主の清水浩さんは語る。
とろみのあるルーは、中華スープのコクに次いでカレーの風味と軽やかな刺激を舌に与え、素揚げされた具材は確かな食感とその風味を主張する。単品よりも濃い目にするという味つけも、ライスとの相性のよさはこの上ない。
なかには炒飯にカレーをかける強者も。見習うべき組み合わせではないか。
珉珉
住所:東京都港区赤坂8-7-4
TEL:03-3408-4805
※店舗情報が変更となる場合があります。事前に確認をお薦めします。
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2. 龍公亭/神楽坂
創業は明治22(1889)年、日本屈指の老舗広東料理店。ここでは、中華丼とおぼしきルックスながら、その名もストレートな「カレーライス」を食べてほしい。
「当初はまかないでしたが、お客様の要望でお出しするうちに、いつしか正式なメニューになっていました」。4代目主人、飯田竜一さんの妻でありフロアを取り仕切る花さんはそう話す。
中華丼でお馴染みの具材と穏やかな味わいのルーが、実に好相性。またそれ以上に、油通しや隠し包丁など、食材に施されたていねいな仕事が、本品を唯一無二のカレーライスへと押し上げている。
龍公亭
住所:東京都新宿区神楽坂3-5
TEL:03-3260-4848
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3. 新世界菜館/神保町
野菜の甘みをふんだんに引き出した定番の味わいにして、さらなる奥行きを感じさせる。それが「新世界菜館」の「中華風カレー」だ。「風味づけの隠し味に紹興酒を使っています。また、途中で温泉卵を割ると、よりまろやかな味わいになります」と、専務取締役兼支配人の傅良平(ふう・りょうへい)さんは言う。
野菜の水分と鶏ガラスープだけで仕立てられたルーは、旨味の余韻が長く、片栗粉のとろみも優しいどこか懐かしい味わいだ。カレーの街・神保町にして舌の肥えた大人が通う、老舗上海料理店の自慢の定番カレーである。
新世界菜館
住所:東京都千代田区神田神保町2-2 新世界ビル
TEL:03-3261-4957
※店舗情報が変更となる場合があります。事前に確認をお薦めします。
※この記事はPen 2017年8/15号「365日カレー天国。」特集より再編集した記事です。