タグ・ホイヤーはスポーツウォッチの名門であり、特にサーキットに由来するクロノグラフで知られる。そのコレクションを中心に人気モデルをピックアップした。
【TAG HEUER】歴史と特徴
モーターレースに由来する、クロノグラフの傑作を次々と発表
1860年に時計師エドワード・ホイヤーが独立してホイヤー社を設立。当初からクロノグラフ製造に力を注ぎ、「振動ピニオン(スイングピニオン)」を開発。これは通常の時計で秒針を回す歯車(4番車)にクロノグラフ機構を連結・解除するクラッチであり、1887年に特許を取得したことから同社の躍進が始まった。特に1958年に4代目のジャック・ホイヤーが社長に就任後は、「カレラ」「モナコ」「モンツァ」など、現在も続く人気コレクションを発表。いずれも世界的に有名なサーキットに由来するネーミングであり、ホイヤー社はモータースポーツと共に発展してきたといえる。クォーツショックの影響から、TAGグループの支援を受けて現社名になったが、2004年には独創的な「ベルト駆動」による「モナコV4」を発表。2015年にはスマートウォッチ「コネクテッド」を発売、2021年にはダイバーズウォッチをリニューアル。スポーツウォッチの頂点を目指す果敢なチャレンジ精神は今も継承されている。
人気モデル①タグ・ホイヤー カレラ
伝説的レースに由来する名作クロノ
タグ・ホイヤーを代表する傑作クロノグラフ。モデル名は1950年から僅か5回だけ開催された伝説的なレース「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」に由来する。5日間で約3000キロの公道を走破した過酷なレースにロマンとスリルを感じたジャック・ホイヤーが命名。長く伸びた直線的で精悍なラグ(ケースとベルトの接合部)が特徴であり、時計がドライバーの手首からずれないようにデザインされたという。こうしたスタイルを継承しながらも、タグ・ホイヤーのフラッグシップとして機能や素材は飛躍的に進化。さまざまなバリエーションが展開されている。
---fadeinPager---
人気モデル②アクアレーサー
日常使いできるダイバーズウォッチ
タグ・ホイヤーのダイバーズウォッチは1978年発売の「ホイヤーRef.844」をルーツとしており、40年以上の歴史と実績がある。代表的なコレクションの「アクアレーサー」は1983年に誕生。12角形の逆回転防止ベゼルをアイコンとして高い実用性を備えているが、さらにアップグレードした「アクアレーサー プロフェッショナル300」を2021年に発売。12面のベゼルそれぞれに溝を刻み、どの面をつかんでも回転しやすく改良。300m防水を確保しながら、ケースやブレスレットをスリム化。日常使いにも便利なスタイルになった。
---fadeinPager---
人気モデル③タグ・ホイヤー モナコ
2つの世界初を搭載した角形クロノ
ホイヤー社(当時)がデュボワ・デプラなどと共同開発した世界初の自動巻きクロノグラフを、世界初の角型防水時計に搭載。この2つの世界初を実現して1969年に発売された革新的なモデルが「モナコ」だ。1971年公開の映画『栄光のル・マン』でスティーブ・マックイーンが着用したことで世界的な知名度を獲得した。当時はリューズが左側にあったが、4代目社長のジャック・ホイヤーが自動巻きのアピールポイントになると判断して、右側に移動させなかったという。インパクト抜群のスクエアダイヤルは、発売から半世紀が経過した現代でも十分にアヴァンギャルドだ。
問い合わせ先/LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL:03-5635-7054
---fadeinPager---