新潟県・佐渡市で開催中の芸術祭「さどの島銀河芸術2021」の企画として、去る9月18日(土)、9月19日(日)の2日間にわたり開催された「FRACTAL CAMP」。
新型コロナと台風14号接近の影響で、事前のPCR検査の徹底しながら観客を50人に限定し、2日目にパフォーマンスプログラムを詰め込むかたちとなったものの、台風一過の晴天の下で自然との一体感を贅沢に実感でき、この状況下でしか為し得ない濃密なキャンプフェスイベントとなった。
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海に浮かぶ二ツ亀を一望できる丘の上で、佐渡民謡が優しく鳴り響くDJ MOODMANによる「おはようムードミューン」からゆるやかに始まった2日目の朝。写真家であり、僧侶の梶井照陰の祈祷で本開幕し、solo solo soloのパフォーマンスが始まる。アイヌ民族に伝わる竹製の楽器ムックリの倍音が、自然の音と共鳴していく。
そして大野亀のメインステージへと会場を移し、ライブ・パフォーマンスは続く。角銅真実がチューバ演奏者ギデオン・ジュークスと共に登場。青空のもと、自由奔放で柔らかな歌声が心地よく響き渡り、OLAibiが鳴る喜びを体感するようなトライバルな音で会場を湧かせた。そして、射抜くような灰野敬二のサウンドを浴びながら満月が昇り、今回の芸術祭のために結成されたDOMMUNE Presents「LAND MUZAK」SADO Projectとしてテリー・ライリーによるライブパフォーマンス「WAKARIMASEN」が、伝統芸能とも融合しながら多幸感の中で浮遊する。
ライブパフォーマンス以外にも、在来作物チーム「バルバッジア」が食とアートのパフォーマンスを披露や佐渡島の太鼓芸能集団「鼓童」とのコラボレーションを豊田利晃監督がとらえた映画『戦慄せしめよ/Shiver』の上映も。映像が終わると、スクリーンから飛び出してきたかのようにふんどし一丁の鼓童の生演奏が始まり、最高の盛り上がりを見せてイベントは幕を閉じ、MOODMANとグラフィックアーティストYOSHIROTTENらによる試験映像プロジェクト「おやすみムードミューン」がキャンプ参加者に向けて送られた。
「自然」の名のもとに集まったアーティストたちのパフォーマンスを、佐渡という風土、文化を通じて体感できるものとなっていたFRACTAL CAMP。“FRACTAL”とは、同じ形が規則的に永遠に続いていく図形を指す言葉。
「佐渡の自然を象徴する三つの山から始まった三角形が、食・映像・音楽というジャンルを横断し、携わるアーティストや参加する人たちとの関係性と無限に広がっていくようにと名づけました」とキャンプ用品などを展開するスノーピーク代表取締役社長で本イベントディレクターの山井梨沙氏は語る。
あの世とこの世の境目といわれる能舞台を継承する佐渡の神秘を体験できる本イベントの全容は11月1日より動画にて有料配信がスタートする。
FRACTAL CAMP 配信スタート記念SP番組 @DOMMUNE
ライヴストリーミングスタジオDOMMUNEにて、FRACTALCAMPのパフォーマンスをダイジェストで紹介するスペシャル番組をオンエア。
オンエア日程:2021年10月20日
<DOMMUNE>
https://www.dommune.com/
FRACTAL CAMP 配信
FRACTAL CAMPの全パフォーマンスの様子を、有料のアーカイブ配信で楽しむことができる。
配信期間:2021年11月1日〜12月31日
料金:3,000円
配信コンテンツ:
・DOMMUNE Presents 「LANDSCAPE MUZAK」PROJECT SADO #1
テリー・ライリーライブパフォーマンス「WAKARIMASEN」 with 鼓童、Salyu
・灰野敬二
・OLAibi
・角銅真実
・solo solo solo
・鬼太鼓パフォーマンス
・おやすみムードミューン(MOODMAN+YOSHIROTTEN+KANATAN) など
<チケット>
https://fractalcampondommune2.peatix.com
<公式グッズ付きチケット>
https://sado-art.shop-pro.jp/
<公式サイト>
さどの島銀河芸術祭2021