ロンドン・ラーメンブームから早10年。ここ数年「次に来るのはうどんでは?」と言われてきたが、そんな中、丸亀製麺が満を持してイギリスに進出した。去る7月26日、「Marugame Udon」の名で、ロンドン金融街(シティ)に1店舗目をオープン。初日は100人以上の行列ができ、英メディアでも大きく報道された。開店から1カ月以上たった現在でも、入店まで20分ほどかかる人気ぶりだ。
入ってすぐの場所にオープンキッチンのカウンターがあり、まずここですべての客の目が釘付けになる。もうもうと立ち上る湯気の中、ぐつぐつと沸く大釜でうどんが茹でられ、「うどん玉」になるまでの過程がアクリル越しに間近で見られるからだ。日本の丸亀製麺を知っていても、ダイナミックかつていねいな調理の様子は見ごたえ満点。うどんにあまり馴染みのない英国人には、入店1秒、食べる前からの興奮体験だ。
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メニューにはたくさんの工夫が見られる。「ぶっかけ」や「釜揚げうどん」などの丸亀製麺の定番メニューに加え、「ビーガンかけ」といったようにビーガン&ベジタリタリアンが多いことを意識したメニューも充実している。また、ラーメン好きをターゲットにしたと思われる「ダブル豚骨うどん」や「焼うどん」など、イギリスの食トレンドを意識して開発された日本にはないメニューも多数提供する。
しかし、打ち立て・茹でたて、腰のある太麺のツルツルしこしこ感は日本の丸亀製麺そのままの味。これまで、美味しい日本食には「高い」というイメージがあったが、うどん類は3.45ポンド(約525円)~、揚げたての天ぷら類も1品0.75ポンド(約114円)~。日本と変わらない手頃な価格は、在英日本人だけでなく、英国人の日本食ファンにとっても嬉しい驚きだ。
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店内は、暖簾など和の小物を活かしつつ、ライティングをスタイリッシュに配置したモダンな雰囲気。テーブル席とカウンター席の両方があり、ファミリーやグループで来店する人にも、「さっと一人飯を済ませたい」派にも心地よい。年内にイギリス内で5店舗を新規出店する予定。店内の賑わいは、「イギリス・うどんブーム」がいよいよ始まったと確信する光景だ。
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丸亀製麺
https://marugame.co.uk/
※1ポンド=152.12円(2021年9月2日のレート)