スニーカー専門エディターとして活躍し、NYでは目利きとして知られるブレンダン・ダン。彼が語る、オニツカタイガーが米国にもたらした影響とは?
カルチャー誌「コンプレックス」の編集者として活躍するブレンダン。幼少期からスニーカーに夢中となり、これまでさまざまなモデルを蒐集。現在は毎週配信される「フル・サイズ・ラン」というYouTube番組のホストを務める、生粋のスニーカーマニアだ。
「オニツカタイガーは、1960年代から70年代の五輪開催時に、数多くの特別モデルを発売し、スポーツスニーカー史に名を残すブランドです。レトロという言葉だけでは決して表現できないほど、当時のスポーツパフォーマンスの向上に大きく貢献しました。実は去年、アーカイブを見る機会があり、いかに革新的でユニークなモデルを発売していたかを知りました」と、ブレンダン。
また米国のスニーカー史においてもきわめて重要なブランドであると語る。
「50年代当時、ナイキの共同設立者であるフィル・ナイトは、オニツカタイガーの靴が最も高品質であると考え、同社のシューズを西海岸で販売していました。そうした経緯もありナイキにはオニツカのDNAが根づいていると思いますし、そのほかの米国のスニーカーブランドにも、デザインと機能面で多大な影響を与えたと思います」
歴史だけでなく、創業当時から変わらない古きよき佇まいにも目を向けた。
「シンプルさを貫き、スマートなシェイプはモダン。時代に流されず、ブレないモノづくりが魅力です」
細部まで配慮が行き届いた日本が誇る孤高のスニーカーに、本場NYの目利きも魅了されている。
ブレンダン・ダン/エディター●アイダホ州出身。オレゴン大学を卒業後、権威あるスニーカー専門のウェブマガジン「スニーカー・ニュース」のライターとしてキャリアを積む。独自の視点から、スニーカーに関する記事を日々発信し、NYのフットウエア業界で有名な存在。