【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を中国で初めて受賞した建築家、王澍(ワン・シュウ)が建築について綴る。まず驚かされるのは、文学や美術、歴史への造詣の深さだ。中国の伝統を反映した建築の在り方を思索。さらに、中国美術学院象山キャンパスや杭州の中山路など、自らの建築の完成に至るまでのプロセスを豊富な写真とともに詳述。ときには模型をつくらず想像に重きを置くなど、建築の背景にある思想もよくわかる。美術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ)とのやり取りも興味深い。