シャルロット・ペリアンらの「名作家具」が買える、エキシビションが開催

  • 文:門倉奈津子
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長引くコロナ禍により、暮らしにさまざまな制限が敷かれ、ライフスタイルにも自然回帰の流れが見られるようになったが、その流れを受けて、住環境や家具への視点がより豊かなものになるようなインスピレーションあふれるエキシビション『シャレーオート』展が、伊勢丹新宿店で、8月25日より開催。

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このエキシビションは、国内で世界中のヴィンテージモダン家具を展開する「ATELIER GALLERY(アトリエギャラリー)」と「Objet d’art(オブジェデアート)」、ふたつのギャラリーが、ラグジュアリーな山小屋をテーマに、シャルロット・ペリアンが携わったLes Arcs(レ・ザルク)プロジェクトで、彼女がデザインまたはセレクトした家具作品や、ブラジルを代表するデザイナーのジョゼ・ザニーネ・カルダスの家具作品を中心に、独自の空間コーディネートと展示販売を行うもの。

1967年から20年にもわたり建築家のシャルロット・ペリアンが携わった「レ・ザルク」リゾート施設の大開発プロジェクトは、景観に溶け込む「家具と建築と環境の調和」「近くに車の通らないリゾート」の在り方を目指したものとして、当時発展が進みすぎた都市での生活環境との対極を成すものだった。一方、ブラジルの建築家/デザイナーのジョゼ・ザニーネ・カルダスは、独学で建築とデザインを学び、60年代当時の軍事政権下のブラジルで、深刻な森林破壊の事実に衝撃を受け、強い環境意識を持った作品を手がけるようになる。主にペキー(ブラジル中西部で食される果実)やカシューといった地元で採れる木材を用い、使用する木材のもともとのヒビや割れ、曲線を活かした彼の作品は、オーガニックで彫刻的だ。

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Bench from Nova residence arcs 1800 by Charlotte Perriand, 1970’s

ペリアンとザニーネ、ふたりのデザイナーに共通しているのは、ただの木材を見事に美しく繊細な作品へと生まれ変わらせる独自の審美眼と選択眼を持っている点。現代人の自然への回帰が見られる時代の潮流の中で、本展ではこのふたりが提唱した空間や素材の新しい捉え方に着目することで、家具とインテリアコーディネートの魅力を見つめ直し、またそこに新たな価値と創造性を見出そうとするもの。加えて、このふたりの作品のほかにも、ピエール・シャポー、ジャン・プルーヴェ、セルジオ・ロドリゲス、オスカー・ニーマイヤーの家具作品など、日本で紹介されることが滅多にないラインナップも販売。貴重な機会をお見逃しなく!

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José Zanine Caldas Rare Trunk Lounge Chairs “Denuncia” Series, 1970’s

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Table from résidence les Lauzières arcs 1800 by Charlotte Perriand, 1970’s

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José Zanine Caldas Easy Armchairs, 1950’s

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B17 Wall Mounted Shelf by Pierre Chapo, 1970’s

『シャレーオート』展~シャルロット・ペリアンとジョゼ・ザニーネ・カルダス 偉大な建築家、デザイナーが手掛けた家具~

会期:8月25日(水)~9月5日(日)
会場:伊勢丹新宿店本館2階
東京都新宿区新宿3-14-1
TEL: 03-6276-5323
時間:10時~20時

※この記事はmadamefigaro.jpからの転載です。