腕時計づくりの伝統を継承しつつ、技術やデザインにおいて独自の変革をもたらし、数々の傑作を手がけたカリスマ職人8人を紹介する。
伝説の時計職人① ジェラルド・ジェンタ

既存の枠にとらわれない素材やデザインを活かした名作を次々と手がけ、「時計界のピカソ」と称されたジェラルド・ジェンタ。彼は15歳からジュエラーとして修業して23歳でデザイナーに転向しており、いわゆる生粋の時計師ではない。だからこそ、パテック フィリップの「ノーチラス」などの独創的なモデルが誕生したのだろう。
【詳細はこちら】ロングセラーを生み出し続けた天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタに迫る
伝説の時計職人② ロジェ・デュブイ

1995年にカルロス・ディアスを共同経営者として自らの名前でブランドを設立し、それから20年にも満たない短期間に30種類以上ものムーブメントを自社開発。設立当初からマニュファクチュールを確立し、斬新なデザインの源泉となる独創性と品質へのこだわりを作品へと昇華している。
【詳細はこちら】斬新なコレクションで時計通を魅了した、ロジェ・デュブイとは?
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伝説の時計職人③ フィリップ・デュフォー

自動化された工業生産が常識的な現代にあって、スイスの伝統技法にこだわるフィリップ・デュフォー。それゆえ生産本数が年間20本程度と少なく、作品の希少性は価値がとても高い。一方、「デュアリティ」のように超絶的な複雑時計も手がけ、時計愛好家から絶大な支持を得ている。
【詳細はこちら】伝統の手作業を継承する、孤高の時計師フィリップ・デュフォー
伝説の時計職人④ ミシェル・パルミジャーニ

専門家でも修復不可能とされる古時計を現代に甦らせることから「神の手をもつ男」とも称されるミシェル・パルミジャーニ。1975年に自らの工房を開設し、96年には「パルミジャーニ・フルリエ」を設立。マニュファクチュールへのこだわりと誇りを貫き、精緻を極めた作品で独自の地位を確立している。
【詳細はこちら】「神の手」をもつ孤高の天才時計師、ミシェル・パルミジャーニとは?
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伝説の時計職人⑤ アントワーヌ・プレジウソ

“キング・オブ・ダイヤモンド”ハリー・ウィンストンが2001年から凄腕の独立時計師とコラボレーションしているオーパス・シリーズ。その第2号を手がけたのが、超絶機構に美をもたらすアントワーヌ・プレジウソ。トゥールビヨンの華麗な動きを強調したモデルのように、複雑なメカの中に芸術作品というべき美を表現できる希有な時計師だ。
【詳細はこちら】超絶機構に美をもたらす、凄腕の持ち主アントワーヌ・プレジウソに注目
伝説の時計職人⑥ フランソワ=ポール・ジュルヌ

ハリー・ウィンストンがオーパス・シリーズの第1号を託した時計職人こそ、スイスの技術にフランスの美的感性を融合させたフランソワ=ポール・ジュルヌ。彼が手がけたスペシャルピースは、2つのバランスホイールが独立して動く「クロノメーター・レゾナンス」という複雑機構だけでなく、デザイン面でもスチームパンク的な独特の個性を備えている。
【詳細はこちら】スイスの技術にフランスの美的感性を融合させた、フランソワ=ポール・ジュルヌ
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伝説の時計職人⑦ フランク・ミュラー

“マスター オブ コンプリケーション”と称され、数々の画期的な複雑時計をつくり出したフランク・ミュラー。流麗な曲線で構成された樽形「トノウ カーベックス」が特に傑作と名高いが、このデザインは知人女性からの要望で誕生したもの。彼は機構だけでなくフォルムにおいても、時計界に革新を起こしたのだ。
【詳細はこちら】世界初の革命的なフォルムをつくり出した、フランク・ミュラー
伝説の時計職人⑧ ジュリオ・パピ

複雑機構の専門工房から独立し、さまざまな時計ブランドの依頼で超絶的なモデルを開発してきたジュリオ・パピ。最近もミニッツリピーターで「美しい音」の解析に成功するなど、機械式時計の伝統に新しい発想を吹き込む革新性で時計愛好家を驚かせている。