杉本博司の襖絵と掛軸が、京都・両足院で公開

  • 文:荒井貴彦
Share:
掛軸『日々是荒日』2021年©️Hiroshi Sugimoto / Courtesy of RYOSOKU photo: Masatomo Moriyama

京都・両足院は11月1日~14日まで、特別展『杉本博司:日々是荒日』を開催し、現代美術作家・杉本博司が制作した襖絵と掛軸を初公開する。京都府指定名勝庭園を望む大書院にて鑑賞できる。本展は2018年より両足院が取り組む、境内一帯を次世代につなぐ実践的な試み「RYOSOKU」の一環。

杉本博司は1948年、東京・御徒町生まれ。22歳で渡米し写真家として活動したのち、仏教美術や神道に惹かれ建築家としても活動を始める。さらに、「禅人一日忽然として語を下す」で始まる大燈国師墨跡を入手したことにより書に目覚める。大河ドラマ「青天を衝け」の題字は杉本が制作した。

本展では襖絵『放電場』8枚と掛軸『日々是荒日』、『日々是口実』が展示される。また、11月3日にはRYOSOKU会員限定で杉本博司と両足院の副住職・伊藤東凌とのトークセッションと、能楽師・片山九郎右衛門による能パフォーマンスを披露する。

伊藤東凌は「両足院ではかねてより、これから100年先に受け継ぐ境内について思考を重ねてまいりました。『宗教と芸術はもともと同じ技術としてのアートで、科学も技術である』という杉本博司さんの言葉と写真作品を初めて拝見した際に、心の中の目に見えない空間性・霊性を感じました。この目に見えない精神を物質化したアートが私の禅への哲学と一致しているように感じ、次世代に受け継ぎたい価値だと直感したのです」とコメント。

両足院と杉本博司の哲学が共鳴する本展に、ぜひ足を運んでみてほしい。

---fadeinPager---

関連記事

『特別展:両足院大書院「杉本博司:日々是荒日(にちにちこれこうじつ)』

開催期間:2021年11月1日~11月14日
開催場所:両足院
京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
TEL:075-561-3216
開館時間:10時〜15時 ※入館は閉館30分前まで
休館日:11月9日、11日 ※11月3日は貸切
一般:¥2,000(税込)
※定員8名、事前予約制。9月よりHPにて受付開始予定。臨時休館や展覧会会期の変更、また入場制限などが行われる場合があります。事前にお確かめください。www.ryosoku.com