塩田千春らが参加する、“さいはて”の芸術祭が復活。『奥能登国際芸術祭2020+』開催

  • 文:宇治田エリ
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モスクワ、ニューヨークの二拠点で活躍する、アレクサンドル・コンスタによる『珠洲海道五十三次』。作品は、珠洲市内の広域に展開される。

2021年9月4日から10月24日まで、石川県・能登半島の先端にある珠洲(すず)市で、1年の延期を経て『奥能登国際芸術祭2020+』が開催される。

アーティストは、塩田千春、石川直樹、カールステン・ニコライ(ドイツ)、アレクサンドル・コンスタンチーノフ(ロシア)ら、16の国と地域から53組が参加。また、そのうちの47組の作品は、珠洲の自然や歴史、伝統文化からインスピレーションを受け制作された新作だ。美しい里山里海の自然と、豊かな食を楽しみながら、時代を率いる最先端の現代アートに触れられる。

今回の『奥能登国際芸術祭2020+』では、2017年の初開催からさらにパワーアップ。アーティストの作品を珠洲市内に展示するだけではなく、モノを主役とした劇場型民俗博物館「スズ・シアター・ミュージアム」で、「大蔵ざらえプロジェクト」の展示も行われる。現在高齢化率が50%を超え、空き家も増えつつある奥能登は、かつて海運の結節点として、多様な交易があった地。このプロジェクトでは、思い出や記憶と共に眠っていた民具などの「地域の宝」を、市内一円から収集。専門家が調査し、アーティストが作品へと活用していく。作品を通して地域のことをより深く知ることができるはずだ。

"さいはて"の地から発信される最先端の現代アートを通して、感性を切り拓いてみよう。

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奥能登国際芸術祭2020+

会期:2021年9月4日(土)〜10月24日(日)
会場:石川県珠洲市全域(247.20km²)
主催:奥能登国際芸術祭実行委員会
https://oku-noto.jp/ja/index.html