インテリアスタイリストの窪川勝哉です。このたび「オフィシャルコラムニスト30」にお声がけいただいたので、まずは自己紹介を兼ねたところから書き始めてみたいと思います。私は2021年現在で、20年ちょっとのインテリアスタイリストとしてのキャリアがありますが、よく聞かれることのひとつに、「インテリアコーディネーターとインテリアスタイリストはなにが違うのか?」という質問があります。一般的に言うと、インテリアコーディネーターはその人にもよりますが、個人の住宅をメインに店舗やオフィスなどのインテリアコーディネートも行う、いわば実際に使われる空間のコーディネートをする仕事です。
一方で、私のインテリアスタイリストの仕事は(これも各スタイリストによって領域がやや異なりますが)おもに雑誌撮影や広告、カタログ撮影等、その日のその撮影の瞬間にしか存在しない、美しくも刹那な空間をつくる仕事です。撮影時にはしっかりと3Dで空間をつくりながらも、そのフィニッシュは撮影された写真によって、雑誌、カタログ、ウェブなどの2Dでの掲載になります。
実は私はかつて20代前半の時に独学でグラフィックデザインを仕事にしていたことがあるので、3Dで空間をつくりつつも、平面的な2Dのフィニッシュになるほうが、どこかイラストレーターやフォトショップのようなソフトで行う作業を、実際の家具などのプロダクトを使って行なっているような感覚があり、そこが共通点として得意なのかもしれません。
このときのインテリアスタイリングはファッションスタイリストによるファッションスタイリングを引き立てる空間として極めて控えめな装飾をしつつも、壁の色や巾木の色に拘ったことを鮮明に記憶しています。
また、私のインテリアスタイリングのなかには、以下の写真のようなファニチャー系のスタイリングだけでなく、その名の通り家に置かれるアイテムである「家電」のほか、「照明」などの通電するアイテムのスタイリングも多く手がけています。
実はこのスタイリングの中で、「cado」と「Ambientec」の撮影に関しては最近リノベーションが終了した私のアトリエを撮影場所にして撮影をしたものです。そのリノベーションに関してはさまざまな実験要素を取り入れて仕上げていますので、そのあたりに関しては次回コラムにて詳しく書いていけたらと思っております。
コロナ禍で引き続きステイホームな日々が続きますが、インテリアのスペシャリストとして、このコラムの中でもなにか皆様の日々のヒントになることもお伝えしていくつもりです。この先、どうぞ宜しくお願いします。