レトロポップなお洒落空間!ロンドンの老舗イタリアン「リナストアズ」が表参道にやってきた

  • 写真・文:高橋一史
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6cm。
なんの数値でしょう?
実はこのデリカテッセン&レストラン「リナストアズ(LINA STORES)」の内装ストライプの幅を定めるために、イギリス本国から指定された数値。
店のアイコンストライプのみならず、ソファの背の凹凸の幅、タイル幅まで6cm。
1944年創業のロンドン店と同様の1950年代調ピスタチオグリーン(偶然にも旬のトレンドカラー)に彩られた店内に隠された内装のこだわり。
外装も内装も左右対称というのも本国の流儀。
かつてロンドンのソーホーに集まった世界中の移民のひとりだった、イタリア人女性のリナがはじめたデリカテッセンが現在も人気が続き、2018年に初めて現地にレストランをオープンして2021年7月30日(金)に東京上陸するほど大評判なのは、味へのこだわりだけではないようです。

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この内装見て心が海外にトリップした人、行っちゃってくださいこの店に。きっと幸せになれます。

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表参道駅から地上に出てほど近い、青山通りを渋谷方面に向い右に曲がった路地沿いに広々と誕生。ビジネス担当ディレクターのアントニー・ステットレーさんいわく、「原宿へと抜ける、よく人が通る便利な道ですね」。

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左側入口がレストラン。店内86席、テラス20席のゆったり空間。

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右側がデリカテッセンの入口。ポップな自転車は表参道エリアへのデリバリー用。

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デリカテッセンの一角。イタリア食材がたくさん。かわいいオリジナルグッズの人気は、ディーン&デルーカを超えるか !?

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いちばんの売りはレストランでも看板メニューの自家製パスタ。生ハム、チーズ、パニーニからリーズナブルなチョコの「バッチ」、ガリッと食感のカントチーニ「アントニオ マッテイ」まで揃います。

このレポートは、オープンに先駆けたメディア向けお披露目会の様子。
すみません、一足先に体感してきちゃいました。
メインメニューのパスタからドルチ(デザート)、カプチーノに至るまで一通り試食させていただいた結果、まずは味の結論から。
どれも上質で美味い! どれも!
素材選びも調理も、とても丁寧な印象。

「さすがに高いだろな〜」
と少しビビったら、ランチの想定予算が1,500〜1,800円、ディナーで3,500〜3,800円(アルコール除く)の意外なお手頃さ。
表参道の一等地で場所の利便性を考えたら、ひとりでもぜんぜん入りやすいじゃないですか。
おいしいものを気取らずに、が店の考え方のようです。

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テーブルは超重量級の大理石!手を置いてヒヤッとする本物感に手抜きなし。これも本国の指示で、コロナ禍で輸入して設営するのがたいへんだったそう(裏事情)。天井のライトはイギリスから取り寄せたもの。

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店内からガラス越しに見えるパスタ工房。このオープン発想はキッチンも同じ。

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店内フロア全体に面したカウンター併設のオープンキッチン。料理を保温するため下げられた照明器具のあるセンターから常に料理がサーブされます。一般のレストランとは異なる演出がこの店のスタイル。

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「う、まじか!」と驚いた、ボリューム満点のザ・葉っぱ(笑)。ソースはアンチョビ。「この店はシェアする考え方でたっぷり盛ってます」と話していただいたのは、運営会社「アール・ティー・コーポレーション」社長の花谷聡子さん。¥1,100(税込)

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「豚ひき肉とボルチーニの煮込みソース ビチ(6mm)」。パスタもっちり肉たっぷりな“食事”。「パスタなんてメシじゃねえ」って男でも不満なさそうな仕上がり。¥1,500(税込)

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ここでお皿チェック!勝手に持ち上げんなって話ですが。フランスの陶磁器「ジャス」と判明。釉薬の色の美しさが特長のブランドのようです(器にうとい人間調べ)。

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お待ちかねのスイーツ。クリーム添えのチョコレートブラウニーで、想定外の大きなサイズ。¥800(税込)

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いまタピオカに続く大ブームのマリトッツォだっ。ブリオッシュ生地のパンにクリーム挟んだ伝統のイタリアンスイーツですから、ここにあって当然ではあります。クリームの見た目がポテサラっぽいですけど、オレンジとレモンのピールです。デリカテッセンのテイクアウト価格で¥400(税込)。カプチーノもテイクアウトで¥440(税込)。

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昔のロンドンのストアの写真。花谷社長に教えていただいたチャーミングなエピソードをひとつ。旧店の看板は正しい英語なら「LINA'S」になるところを、イタリア移民だから間違えて「LINA」にしちゃったそう。でもこの個性を大切にして、現在もロンドンでは「LINA STORES」と名乗り日本でもそうしていると。

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この重厚な大理石のタイル貼りはどこかと言いますと、

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女性用トイレです!すごくないですか、ここ。洗面台も本物の大理石。ミラー周辺は女優ライト。店自慢の部屋で、相当な予算が注ぎ込まれたそう。ホテルでもレストランでも、トイレがきれいだと信頼感がアップしますね。

スタッフさんたちのホスピタリティも良さそうでしたし、オープンしたらまた行ってみるつもりです。
ただ当初はキラキラオーラ漂わせる大人女性たちが押し寄せるだろうから、私なんぞはチラ見しつつ無言で足早に前を通り過ぎるだけになりそうですけど。
落ち着いたら仕事途中のカフェ利用でも狙いたいと思います!

Photos©KAZUSHI

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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