はじめまして、岩田リョウコと申します。
30歳になるまでコーヒーをまったく飲まない人生を送っていました。というのも、子供の時にほかほかの白米にお茶と間違えてコーヒーをかけて食べてしまったトラウマから「飲まず嫌い」のまま大人になってしまったのです。そんな飲まず嫌いをひっくり返してくれたのが、当時住んでいたアメリカ・シアトルのコーヒーでした。本当においしいコーヒーに出会ってからはどっぷりコーヒーに魅せられ、これまで2冊のコーヒー本を出しています。
コーヒーで有名なシアトルに住んでいたので、自分の街が一番コーヒーを飲んでいるものだと思い込んでいたところ、「コーヒー消費量世界No.1はフィンランド」と知ることとなり、ライバル心からフィンランドのコーヒー好きがどんなものか見に行ってやろうじゃないか!と思ったのがフィンランドとの出会いでした。2013年に初めてフィンランドへコーヒー旅に出てから毎年訪れるようになり、幸福度も世界一、サウナの数も世界一というフィンランドという国に恋をして、『週末フィンランド』『HAVE A GOOD SAUNA!』という本も書きました。好きになってハマってしまうと、とことん深掘りして本を書く、というパターンが定着しつつあるので「次は何にハマるの?」と聞かれる日々を送っています。
というわけで、こうして嫉妬心から出会ったフィンランドのおかげでわたしの「好き」の世界はさらに広がったのですが、そんな最初の「好き」であるコーヒー、しかもフィンランドのロバーツコーヒーが麻布十番にオープンしたと聞いて、コロナ禍でフィンランドへ行けない気持ちを満たしに行ってきました。
ちなみにフィンランドへ行くと、ほとんどスターバックスが見つかりません。代わりにフィンランドのスタバと呼ばれるロバーツコーヒーがフィンランド人の憩いの場となっています。1987年にロバート・パウリグさんがオープンしたカフェなのですが、気をつけて観察しているとフィンランドには「パウリグ」ブランドのコーヒーがいっぱい!スーパーではパウリグの豆がたくさん並んでいますし、コンビニのコーヒーもパウリグだったり、パウリグ一家はフィンランドのコーヒー好きを支えるコーヒー王なのです。
そんなコーヒー王のカフェ、西麻布のロバーツコーヒーに一歩足を踏み入れると、なんだか懐かしい感じ。はじめてロバーツコーヒーに行かれる方もインテリアから北欧っぽさを感じられると思います。飲みたいコーヒー、食べたいものがありすぎて困っちゃいましたが、まずはラテとシナモンロールでフィンランドを感じることにしました。
甘すぎない絶妙なシナモンロールはコーヒーとの相性も抜群です。久々のフィンランドのシナモンロールに興奮してしまい、結構な勢いで食べてしまったのですが次回は本でも読みながらゆっくり味わいたいなぁと思った次第です。そして2杯目のコーヒーは、ロバーツスペシャルのドリップにシナモンロールとラズベリーのジェラートを合わせていただきました。脳内シナモンロール漬けでロバーツコーヒーの店内でフィンランドグルメ旅を楽しめました。
海外旅行がまだまだできない状況ですが、日本国内にいながらも好きなものを追いかけつつ、外国に行ったような気分になれることをこれからも見つけていきたいと思っています。想いが溢れてしまってちょっと長くなりましたが、コーヒー、サウナ、そしてクラフトビールなどわたしが大人になってから出会った「好き」たちをこのコラムで共有できたらいいなと思っています。
文筆家、イラストレーター
コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
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コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
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