Pen Onlineをご覧の皆さま、こんにちは。
今回からこちらの欄で「オフィシャルコラムニスト」という立派な席を頂戴し、コラムを掲載していただくこととなりました。
初回は“スタイリスト”という、知っているようで知らない、自分でもわかっているようでわからない、スタイリストという一種の職能について、綴ってみたいと思います。
僕の場合、雑誌やウェブ媒体、ブランドから依頼を受け、そこに掲載・発表される編集記事やLookの写真、カタログなどで、洋服をメインに、選定、コーディネート、着せつけやアイテムのセッティング、撮影立ち合い、撤収までを一貫して行う場合が多いのです。
加えて、フォトグラファーやヘアメイクなどのスタッフ、モデルを務めてくれる人を集めて選定したり、撮影地の候補を出したり、撮影方法を考えたり、撮影したカットの中から発表する写真を選んだりという、いわゆるディレクションと呼ばれる役割を果たす場合も多々あります。
そもそも、なぜにこのようなことを仕事にできるのかと思ったかと言うとですね、中高生だった1990年代初頭、もしくは小学校6年生頃、背の順でいつも前から2番目付近だった自分は、服装で、身長などの見た目が補えることに気付きました。そんななか、服飾の専門学校へ通っていた6つ歳上の2番目の姉から、メンズファッション誌の存在を教えてもらいました。
当時は集英社の『メンズノンノ』が創刊4~5年目、他にも『MR High Fashion』『POPEYE』『CHECK MATE』が存在し、さらに少し経って『Asayan』などもう少しストリートカルチャー度を色濃く反映した雑誌が創刊されるなど、ファッションとそれらを巡る編集された雑誌がとても充実した時代だったと思います。
それらの誌面を通して、スタイリストの存在を知りました。当時は、スタイリストのなり方を詳しく記したページも頻繁にあったと記憶しています。
いつの間にか、ファッションにすっかりのめりこんでいた自分は、当然この道で生きる、と決意。なかでも「組み合わせ」を提案する“スタイリスト”にとても強く興味を抱きました。
それからは、はっきり言って今日まで、「スタイリストになるには」を考え続け、「なにかしら実践して来た」と言う他ないように感じられます。
そんなこんなで、どうにかやって来られたスタイリスト。2000年(平成12年)の秋から独立し、フリーランスとして活動しはじめたので、お陰様で今年で21年目に入りました。
洋服の仕事、と思っていましたが、こちらでコラムを書かせていただくのも、立派な仕事です。というわけで、境界線の曖昧な部分の多いスタイリストと、その仕事であるスタイリングについて、次回も綴ってみたいと思います。
画像はPen本誌での過去の仕事の一部です。どこにスタイリストの仕事入っているのか、入っていないのか、微妙なところも多いのです。