街のモニュメントに指定された、 キース・ヘリングによる“幻の巨大壁画”

  • 文:ユイ・キヨミ(Studio Frog)
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AMSTERDAM アムステルダム
オランダ

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Photograph by Kiyomi Yui

四半世紀以上もの間、その存在すら忘れられていたキース・ヘリングのミューラルアート(壁画)が、今春、晴れてアムステルダムの史跡に認定された。1930年代に建築された冷蔵倉庫壁面に描かれている作品は、15×12mのスケール。ヨーロッパの公共スペースに描かれた作品としては2番目の大きさだ。同時に冷蔵倉庫の歴史的価値も認められ、ともに史跡認定となった。

作品は86年に開催された個展のために来訪した本人が描いたものだが、数年後に建物内の湿気防止のため、壁面全体がアルミ板で覆われてしまう。そして2018年、ヘリング財団の要請でアルミ板が除去されるまで、人目に触れることはなかった。だが不遇な時代は終わった。今後は街の宝として愛されていく。

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