減量外来の医師が教える、こんぶ茶を飲めば2週間で3Kgやせる「3つの理由」

  • 文:工藤孝文
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こんぶ茶を毎朝1杯飲むだけで、人間本来の味覚を取り戻し、手軽で健康的なダイエットが実現することをご存じだろうか?そんなこんぶ茶を使ったを実践的な減量法を、ダイエット外来の専門医が解説する『毎朝こんぶ茶を飲んだら2週間で3kgやせた 』(工藤孝文 著/CCCメディアハウス刊)より一部抜粋。こんぶ茶がダイエットに効く3つの理由をお届けする。


こんぶ茶がダイエットに効く理由 その1

→脳を満足させるから、食欲の暴走を抑えられる  

ダイエットに成功するためにもっとも大切なことは何か?誘惑に打ち勝つ強い意志? 激しい運動? 低カロリーな食事?どれも一時的に体重を落とすことができるが、辛いガマンを強いるため、長続きはせず、挫折した経験を持つ方も多いだろう。これだけでは、太っていることの根本的な解決にはならない。


ダイエットに成功するために大切なことは、脳を満足させて、甘いものや脂っこいものを次々に食べてしまう、食欲の暴走を止めること。なぜ食欲が暴走してしまうのだろうか?それは脳に関係がある。脂肪や糖質の多い食べ物を摂ると、脳がドーパミンという快楽物質を作る。「こ ってりしたものや甘いものを食べることこそ幸せ!」と脳が勘違いしてしまうのだ。健康を害さない程度の量で満足しているうちはいいのだが、脳が快感を求めて高脂肪の食品や糖質の摂取を求めるので、だんだん摂取量が増えていく。気づいたときには摂取しないとイライラが起こるなど、禁断症状があらわれる。つまり、麻薬と同じような依存性があるのだ。実際に甘いものはコカイン以上に依存性が高いという研究もある。

 

んぶ茶で味覚をリセットすれば自然にやせられる

このスパイラルから抜け出すためには、こってりしたものや甘いものを好むデブ味覚を正常にして、薄味でヘルシーな食材でも満足できる、やせ味覚にリセットしていく必要がある。無理な食事制限をしなくても、自然に食欲を落ち着かせることができて、気づいたらするするとやせていく。この味覚リセットにおすすめなのが、こんぶ茶だ。

朝1杯のこんぶ茶を飲むだけで、グルタミン酸をはじめとしたうま味成分や、こんぶに含まれるさまざまな栄養素が脳を満足させるので、約2週間で味覚が正常になっていく。早い人は数日で味覚が変わってきたのを感じるだろう。

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こんぶ茶がダイエットに効く理由 その2

→代謝がアップするから、脂肪がどんどん燃焼する


私たちの体は、体を動かすことでエネルギーを消費する「活動代謝」、食事をしたものの消化にエネルギーを使う「食事誘発性熱産生」、そして生命を維持するために必要な「基礎代謝」の3種類の代謝を行っている。この中で、もっともエネルギーを必要とするのが基礎代謝だ。1日の総消費エネルギー量のうち約60%を占めていて、主に体温キープに使われている。特別な運動をしなくても、寝ているときや座って仕事をしているときにも消費されている。


つまり、効率よくエネルギーを消費して、ラクしてやせる体を作るためには、基礎代謝を上げるのが手っ取り早いのだ。こんぶ茶には、基礎代謝をアップするヨウ素が含まれている。また、こんぶのぬめり成分であるアルギン酸は、食べ物から摂取したエネルギーを、効率よく代謝する働きがあるので、やせやすい体作りを助けてくれるだろう。色素成分のフコキサンチンにも、脂肪の燃焼を促進する作用がある。

 

温かいこんぶ茶+生薬で体を温めて代謝を上げる


基礎代謝は体の冷えとも関係している。冷え症の人は、基礎代謝も低い状態だといえるだろう。体温が1℃下がると代謝が12%も低下するといわれていて、体が冷えると、内臓や血管の動きも鈍くなり、やせにくい体になってしまう。体の外側、内側の両方から温めることが大切だ。

朝1杯の温かいこんぶ茶を飲むと、体の内側から温まって代謝がアップ。活動的に1日をスタートさせることができる。しょうがや山椒など、体を温めて代謝をアップする生薬とこんぶ茶との組み合わせもおすすめだ。

こんぶ茶ダイエットは、デブ味覚をリセットすることが主な目的だが、こんぶ茶には代謝アップや脂肪燃焼など、やせやすい体を作る成分がたくさん含まれているので、相乗効果であなたのダイエットをサポートしてくれる。

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こんぶ茶がダイエットに効く理由 その3

→腸内環境がよくなるから、便秘や下痢も改善する


こんぶには、ごぼうの約5.0倍、さつまいもの約8.0倍もの豊富な食物繊維が含まれている。こんぶ茶にも食物繊維は含まれているので、手軽に摂取することができる。食物繊維は、水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類に分類される。現代人には特に、水溶性食物繊維が不足しているといわれていて、便秘や下痢などの原因になっている。

 

ぬめり成分が血糖値上昇を抑えて生活習慣病を予防

こんぶには、水溶性食物繊維であるアルギン酸とフコイダンが豊富。こんぶを煮たときなどに出るぬめり成分で、水に溶けるとゼリー状になる。このゼリー状の食物繊維が小腸での栄養素の吸収をスムーズにして、食後の血糖値上昇を緩やかにする。

また、血中のコレステロールを吸着して、体外に排出することでコレステロール 値をダウンさせる作用もある。さらに、ナトリウムを排出する効果もあるので、高血圧予防も期待できるだろう。

 

腸内環境が整えば免疫もバランスよく

アルギン酸とフコイダンには、腸の老廃物を体外に出すデトックス作用のほか、腸内の善玉菌を増やす作用もあるので、定期的に摂取することで、腸内フローラを理想の状態に整えてくれる。

腸には全身の免疫細胞の50〜60%が集まっているので、腸内環境が良くなると、免疫のバランスが整う。免疫とは、体内に病原菌やウィルスなどの異物が入ってきたときに、守ろうとする働きのこと。

無理なダイエットをすると、栄養バランスが崩れて、免疫が下がってしまうこともあるので、こんぶ茶で防ごう。

また、私たちを幸せな気分にしてくれる幸せホルモン「セロトニン」も腸で作られるので、メンタル安定のためにも腸内環境を整えることは大切だ。

『毎朝こんぶ茶を飲んだら2週間で3kgやせた』工藤孝文 著 CCCメディアハウス ¥1,320(税込)

【執筆者】工藤孝文
減量外来・糖尿病内科医。
福岡大学医学部卒。卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。帰国後は大学病院、地域の基幹病院勤務を経て、現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、地域医療を行なっている。糖尿病・肥満治療、東洋医学・漢方治療を専門とし、NHK「ガッテン! 」、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「名医のTHE太鼓判!」、フジテレビ「ホンマでっか !? TV」などに肥満治療評論家・漢方治療評論家として出演。NHK「ガッテン!」では、著者出演回が、2018年度視聴率1位を獲得した。日本内科学会・日本東洋医学会、日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・小児慢性疾病指定医。『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』(アスコム)、『リバウンドしない血糖値の下げ方』(笠倉出版社)、『なんとなく不調なときの生薬と漢方』(日東書院本社)、など著書多数。