「コーヒーと植物は、生活に欠かせない存在」と言い切る俳優の滝藤賢一さん。以前から気になっていたというコーヒー専門店への訪問に同行し、コーヒーとの向き合い方について話を訊いた。
この日、滝藤賢一さんが訪れたのは、コーヒーの聖地ともいわれる清澄白河に今年1月にオープンした「コーヒー マメヤ カケル」。世界各地の焙煎士から厳選して仕入れる〝コーヒー豆のセレクトショップ〞として人気の「コーヒー マメヤ」の姉妹店だ。カウンセリングを通して自分に合った豆を提案してくれるだけでなく、コーヒーとの新たな出合いを演出する、次世代型のコーヒー専門店。その売りは焙煎や抽出の違いを体験できる〝コーヒーのフルコース〞だ。
「役によっては食事制限をして身体をつくらなければならない。その時に口にする飲み物は水とコーヒーだけ。僕の血の半分はコーヒーでできているかも(笑)。深煎りで苦みが強いのが好きで、いつも同じ店で豆を購入するから店主も僕の好みをわかっている」
バリスタの圖師聡(ずしあきら)さんが提案したのは、コーヒー本来の香りや酸味が感じられる浅煎りの豆を使った「コーヒー マメヤ コース」。バリスタとの対話を通じ、滝藤さんも意外な好みに気づかされた。
「1時間以上のコースでいろんな角度から楽しませてもらいました。苦手だった酸味の強い豆も、本当においしかったし、コーヒーとじっくり向き合うことがこれほど贅沢なことだと思わなかった。忙しくても1日1回、せめて週に一度でもゆっくり味わって飲む時間をとることは大事ですね」
※この記事はPen 2021年7月号「コーヒーとグリーン、ときどきポッドキャスト」特集より再編集した記事です。