【Penが選んだ、今月の音楽】
ポスト・クラシカル界の人気者、イタリア・マントヴァ出身のメランコリック・ピアニストによる最新作。ピアノの弦とハンマーの間にフェルトを挟み、優しく繊細な音色でソロ・ピアノを奏でる「ソロ」と、耽美なストリングスやエレクトロニクスをかすかに加え、シネマティックなサウンドスケープを描く「ロマンス」の2部構成で、美しい静寂の情景を写し出す。コロナ禍の乾いた心にじんわり潤いを与える、清らかなサウンドの癒やし効果は抜群。静かに、しかし情感豊かに、聴き手の魂を刺激するマインド・トリップ盤。